“バンジージャンプ”に“浮世離れ” 福利厚生で非日常な体験を提供する理由とは

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【トライバルメディアハウスの福利厚生】

◯バンジージャンプ支援制度

【制度内容】
年に1回までバンジージャンプ代を会社が負担する制度。人生観が変わるほどの体験をすることで、あらたな角度から物事を考えることができ、今までにない革新的なアイデアが生まれるようになるのでは、という思いが込められている。

◯浮世離れ休暇

【制度内容】
勤続満5年を迎えたスタッフに1カ月の連続有給休暇を付与する制度。普段できないような“アメイジングな体験”をすること推奨している。今まで足を踏み入れたことのない秘境を旅するもよし、新しい資格や免許などを取得するもよし。使い方はスタッフに任されている。5年間頑張ったスタッフに、1カ月間しっかりと休み、リフレッシュして仕事に取り組んでもらうのが狙い。

アウトプットに偏りがちな日常をリセットすることで、新しい姿勢で仕事に取り組む

2つの福利厚生制度について、トライバルメディアハウス代表取締役社長・池田紀行 氏と、Corporate Design Div.ゼネラルマネージャー・前川浩樹 氏に伺った。

――なぜ、バンジージャンプ支援制度ができたのでしょうか。

前川氏(以下、敬称略):もとは池田発案の「パラグライダー支援制度」がきっかけです。パラグライダーがあるならバンジージャンプも、という感じで派生したんですよ。

池田氏(以下、敬称略):数年前の誕生日に、スタッフから「体験ギフト」をもらったんですよね。弊社は「人の二倍働き、人の二倍遊ぶ」という行動指針を掲げているのですが、社長の私が「あまり遊んでいないんじゃないの?」と言われてしまって…。せっかくなので、妻と一緒にパラグライダーを体験したんですよ。

いざ飛んでみるとあまりの楽しさにハマり、「みんなも一度は空を飛んだ方がいい」と思って制度にしました(笑)。それが派生してできたのが「バンジージャンプ支援制度」ですね。空を飛ぶだけじゃなく、100mぐらいから飛び降りれば価値観や人生観が変わるかもね、と。

――バンジージャンプを通して、スタッフにはどうなってほしいですか。

池田:挑戦する気持ちを持ってほしいです。毎日仕事をしていると同じことの繰り返しになってしまうので、バンジージャンプ支援制度を通して「普段の生活では体験できないこと」にチャレンジし、新しい発見や経験をしてほしいと思っています。もちろん、リフレッシュしてほしいという願いもあります。

前川:コミュニケーションが活性化する側面もありますね。新しく入社したスタッフがいれば、2、3カ月経ったタイミングでみんなとバンジージャンプに行く、という使い方が多いです。結果的に、一緒に仕事をしていないスタッフともコミュニケーションが生まれるんですよ。

――浮世離れ休暇については、どういった思いから?

池田:5年ほど前に導入した制度です。マーケターはインプットとアウトプットを繰り返していかなければいけない仕事ですが、仕事をしているとどうしてもアウトプットに偏ってしまいます。そういった癖を5年に1度リセットして、新しい姿勢で仕事に取り組めるような“区切り”があるといいな、と思いました。

――休暇を取得したスタッフは、休暇中のレポートを提出しなければいけないのでしょうか。

池田:レポートなどは求めていません。使い方は自由ですし、報告の義務もありません。海外留学に行っても、家族サービスに使ってもいいです。

前川:義務付けてはいませんが、利用したスタッフのほとんどが休暇中の取り組みや感想、今後さらにチャレンジしていきたいことをみんなの前で発表してくれますね。

――取得率については…?

池田:5年以上勤めているスタッフ20~30人のうち、5人程度が取得しています。休みづらい雰囲気ではないと思いますが、業務の引き継ぎが難しいんですよね。先延ばしになってしまっているスタッフが多いので、「俺が手本を見せてやる!」と昨年5月に取りました(笑)。

前川:マネージャーの立場でも、周りがフォローすれば問題ないという実感を持っています。みんながさらに取得しやすくなるよう、アドバイスやフォローをしていきたいです。

池田:僕が休んでも業務は進んでいましたから、誰が休んでも大丈夫です(笑)。

100mの落下で、業務も「怖いものなし」に。福利厚生でバンジージャンプを提供する意義

実際に、それぞれの制度はどのように使われているのだろうか。浮世離れ休暇を活用した池田氏と、バンジージャンプ支援制度を活用した井福裕之 氏と佐藤綾子 氏にお話を伺った。

――池田さんは、浮世離れ休暇をどのように過ごしましたか?

池田:仕事以外でやってみたかったことを一覧にしてスケジュールを組み、いろんなことにチャレンジしました。ピザ釜を作ったり、最近始めたロードバイクで富士山まで走ったり…。普通の生活だったらできなそうなことに集中して、計画的に遊ぶ。遊んでみると、1カ月間は本当にあっという間でした。

――仕事は、どのように調整したのでしょうか。

池田:1年前から、1カ月間休むための準備をしました。仕事を調整しつつ、休暇中にチャレンジしたいことも決めて。1カ月の休みがあることで、休暇前の過ごし方も変わるし、休んだ後は仕事に対する姿勢も変わりますね。

――バンジージャンプ支援制度を活用した井福さんと佐藤さんは、なぜこの制度を使ってみようと思ったのですか?

井福氏(以下、敬称略):私は営業職ということもあり、新しいことにチャレンジするのが好きで。福利厚生を使って、せっかくだから飛んでおこうと。入社して2年目に利用しました。

佐藤氏(以下、敬称略):昔からバンジージャンプをやってみたいなと思っていたんですが、怖くてなかなかできていなかったんです。そんな時、同僚が会社の制度を使ってみんなと行くというので、私も行ってみようかなと。

井福:会社のみんなと行くから挑戦できますよね。僕たちも5人ぐらいで行きました。

――実際飛んでみてどうでしたか。

井福:怖かったです。100mを落ちるので、死ぬと思いました(笑)。でも、不安を乗り越えて飛ぶと、一皮むけたような感覚になります。多くのスタッフに挑戦してほしいと思っているので、みんなに勧めていますよ。

佐藤:一歩を踏み出せたことで、仕事も頑張れるという気持ちになりました。休日に行ったのですが、週明けから「もう怖いものはない」という感覚で仕事に取り組めました。落ちていく感覚は気持ちよかったので、リフレッシュにもなりましたね。

井福:仕事で新しいことに挑戦する時も、「なんとかなるでしょ、死にはしないし」と感じるので、よりポジティブになったような気がします。

――バンジージャンプへの挑戦を乗り越えたことで、仕事でも大きく構えられるようになったということですね。ありがとうございました。


※左から前川氏、池田氏、佐藤氏、井福氏。佐藤氏は2019年4月より産休を取得。

【今回取材させて頂いた会社】
株式会社トライバルメディアハウス。2007年設立。「ソーシャルエコノミーでワクワクした未来を創る。」をミッションに掲げ、大手企業のマーケティング支援からソーシャルメディアに関する自社ツールの開発まで幅広く手がけるマーケティング会社。

文:吉田瞳
写真:國見泰洋

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