リクルートキャリアは、中途入社者が入社後に高い成果を出したり、長く働き続けたいと思うようになるにはどのような人事施策が有効なのか明らかにすることを目的に調査を行い、2019年4月24日にその結果を発表した。

それによると、中途入社者のうち、入社前後で「人事とのコミュニケーション」を行っている人は、入社後、パフォーマンスを発揮している傾向が見られることが判明した。

人事とのコミュニケーションがパフォーマンスのカギを握る

まず、中途入社者のうち、入社前後で「人事とのコミュニケーション」を行っている人は、入社後、パフォーマンスを発揮している傾向が見られた。

「人事とのコミュニケーション」について、時期を比較したところ、入社前に行っている人の方が、入社後と比較してパフォーマンスを発揮している人が多い傾向が見られた。入社前後とも「人事とのコミュニケーション」を行っている人は、全くコミュニケーションを行っていない人よりも、パフォーマンスを発揮している傾向が見られた。

また、パフォーマンス発揮者の8割弱は、入社前に人事とコミュニケーションを図っている。パフォーマンス不十分者は、半数弱しか人事とのコミュニケーションを実施していないことが判明した。

パフォーマンス発揮者と人事との入社前のコミュニケーションでもっとも多かったのは、「自分の転職目的について聞いてもらう」ことだった。

パフォーマンス発揮者とパフォーマンス不十分者の間でもっとも差が大きかったのは、「入社を検討する上で十分な情報を得たか確認してもらう」こと。続いて、「入社後に想定される疑問や不安を解消する情報を、隠すことなく開示してもらう」ことだった。

パフォーマンス発揮者の7割が入社後5カ月目までに人事との面談を実施

そして、パフォーマンス発揮者の7割が、入社後5カ月目までに人事との面談を行っていることがわかった。

一方で、パフォーマンス不十分者の約半数は、入社12カ月目までに人事との面談を行っていないことがわかった。

最後に、同社ではこの結果について、入社前の情報提供と入社後の面談の重要性が明らかになった一方で、入社後の面談については、その頻度、時間、内容、手段が中途入社者のパフォーマンスに影響ないこともわかったとしている。

そして、シンプルに、入社前にリアリティある情報を提供すること、入社後遅くなりすぎないタイミングで面談を行うことが重要だと提言している。


※本調査は2019年3月時点のもの。
調査は、過去1~3年以内に従業員数300名以上の企業に正社員・正職員として転職した人946名を対象に2019年2月26日~3月4日に実施された。

<参照元>
『中途入社者の「パフォーマンスの発揮」に寄与する「人事によるコミュニケーション」は、「入社前のオープンで十分な情報開示」と「入社後5か月目までの面談」』