NTTドコモは2019年4月17日、ドローンを活用した新たなビジネスの創出に向けて、プロペラを使わず、超音波振動を活用して空中を移動する安全性の高い屋内向けの飛行船型ドローンを開発したと発表した。
ヘリウムガスが充填された風船の浮力によって浮遊
羽根のないドローンは、空中を自在に飛行しながら人々の生活をサポートする新たなデバイスの創出をめざして開発された安全性の高いドローンとのことだ。
プロペラや羽ばたき翼によって空中を移動する従来のドローンとは異なり、羽根のないドローンはヘリウムガスが充填された風船の浮力によって浮遊し、さらに「空気ポンプ」として動作可能な超音波振動モジュールによって推進力を生み出すことで、空中を移動するという。
従来のドローンは、空中を移動する際に必要となるプロペラや羽ばたき翼などが人や物に衝突すると、大きな怪我や破損につながる可能性があるという課題があった。羽根のないドローンでは、それらのパーツの代わりに、人が触っても安全な微小な振動により風を起こす超音波振動モジュールを活用することにより、飛行時の音が静かで、安全なドローンを実現した。
今後は、イベント会場やコンサートホールなどの屋内において羽根のないドローンを飛行させることで、空飛ぶ広告や道案内などに活用するほか、機体に搭載されたカメラから撮影した映像と画像解析技術を組み合わせて、空中からの監視や警備ソリューションに活用することを想定しているという。
さらに、羽根のないドローン本体にプロジェクションマッピングをすることにより、空中に映像を表示する空間演出ソリューションの提供も検討するとしている。