【Chatworkの福利厚生】
◯ゴーホーム制度
【制度内容】
実家へ帰省する費用を1回につき14,000円支給(配偶者がいれば、さらにプラスで14,000円)する制度。職場から140km以上実家が離れている人が、1月から12月末までの間で2回まで使える。
スタッフと家族との関係を大切にしてもらうのが狙いだ。
「家族とのコミュニケーションを大事に」Chatworkが社員の里帰りを支援する理由
なぜ、企業がわざわざ社員の”里帰り”までも応援するのだろうか? Chatworkの採用企画を担当する、人事総務部・内田良子 氏と、同広報ディレクター・山田葉月 氏に伺った。
――ゴーホーム制度ができた背景を教えてください。
内田 氏(以下、敬称略):前社長とスタッフの会話のなかで、スタッフが「最近実家に帰ってないんですよね」という話題を出したのがきっかけです。2008年から帰省に補助を出すようになりました。このように、社員の声を吸い上げてつくっているというのが弊社の制度の特徴でもあります。
――実際の利用状況はいかがでしょうか。
内田:昨年は使用実績が述べ人数で62名です。100名程度が在籍している弊社のなかでは、かなり使われている印象ですね。 ちなみに、私もゴールデンウィークに使う予定です。実家が関西圏にあるので、助かりますね。両親も、「帰省に補助が出る、いい会社なんだね。助かるね」と安心していました。
――「制度を使って家族とコミュニケーションをとってほしい」という、経営側の思いもあるのでしょうか。
内田:体だけでなく、心までリフレッシュしてほしいという思いが込められています。誰しもがずっと張り詰めて働くのは無理だと思います。例えば、帰省して両親の喜ぶ顔を見るのは安心しますよね。育ってきた場所に戻るのもホッとしますし。そういったリフレッシュの機会が作れるとよいと考えています。
山田 氏(以下、敬称略):“家族”というキーワードでいうと、「出産立ち会い制度」もあります。男性社員がお子様の出産に確実に立ち会うことができるよう、奥様の出産前後の一定期間に在宅勤務が可能になる制度です。女性と同じように、男性もパートナーの産前4週、産後8週までは在宅勤務ができます。
――それは安心ですね。
山田:やっぱり、出産というおめでたい出来事でも、急に休むと申し訳ない気持ちになると思うんですよね。そうならないように、引き継ぎ体制も整えています。男性にもどんどん育休を取ってほしいですね。
“コミュニケーションツールを提供する企業”だからこそ、同僚や家族との交流も大切に
――Chatworkは、ビジネス用のコミュニケーションツールを作られている会社ですよね。そういった企業の成り立ちもあって、コミュニケーションを大事にできるような制度を作っているのでしょうか。
内田:プライベートが充実していないと、仕事のパフォーマンスも下がってしまいます。健康や家族とのコミュニケーションを大切にして、心と体の健康を保ってほしいと思っています。
――ほかに、Chatworkの福利厚生制度のなかで、どういうところがポイントになるんですか。
内田:今後は、さらに若手を育てていくような文化作りに取り組みたいです。今提供している福利厚生は、金銭的支援が多いんですよね。補助を出すだけではなく、コミュニケーションや健康、学びの機会を与えられるような制度を整えていきます。自発的に、自分たちで勉強するというのもいいんだけれども、会社として学びの機会をつくるのも大事ですよね。「育てる文化」の観点から、社員に多様な経験ができる機会を作っていきたいです。
福利厚生制度で、家族も応援してくれる企業に
実際、社員はゴーホーム制度をどのように使っているのだろうか。ゴーホーム制度を社内で最も活用しているという、同社デザインイノベーション室の新免タカノリ氏にお話を伺った。
――新免さんは、どのようにゴーホーム制度を使っているのでしょうか。
新免 氏(以下、敬称略):私がゴーホーム制度を社内で一番使っているとは思っていなかったんですけれども(笑)。やはり旅費が補助になるのは助かりますね。私は出身が岡山県なのですが、年2回帰っています。帰省できるのが、お盆やゴールデンウィークの時期なんですよね。普通に飛行機で帰ると高くなってしまうのですが、補助を出していただけることで帰りやすくなっています。
――お財布事情も気にせず安心して帰ることができている?
新免:そうですね。妻の実家に帰るときにも対象になるんです。妻の実家がある高知県にも帰りやすい。おかげさまで、妻のご両親ともよい関係を築けています(笑)。私の家族からも「いい会社だね」と思ってもらえるし、妻の家族からもそう思ってもらえていると感じています。金銭面に加えて、仕事に対する家族の理解も進んでいますね。
――家族にも優しい福利厚生制度といえそうですね。
山田:そうですね。こういう制度を届けることで、家族がChatworkで働くことを応援してくださることにつながると思っています。今後も組織ビジョンやカルチャーを軸にして、制度を作っていきたいです。
【今回取材させて頂いた会社】
株式会社Chatwork。2004年に設立され、ビジネスチャットツール「Chatwork」を運営する会社。チャット機能のほか、タスク管理、ファイル共有など多様な機能を持つ「Chatwork」を通して、業務の効率化と企業の成長を支援している。
取材・文:吉田瞳
写真:西村克也