VUILDは2019年4月11日、同日より、家具づくりをすべての人に解放するサービス「EMARF」の正式運用を開始したと発表した。また、EMARFの活用を視野に入れた、パナソニック、カインズ、面白法人カヤック、リビタ、LIFULL、富山県南砺市との連携を開始した。
オンライン上で好きな家具を選びオリジナル家具を出力
EMARFは、家具づくりをすべての人に解放するサービスだ。ユーザーがオンライン上で好きな家具のテンプレートを選び、自分の部屋や身体にあったサイズに調整することで、オリジナル家具を出力することができる。
ただ完成した製品を受け取るだけではなく、ユーザーが工房へ出向き、自らが設計した家具を工房オーナーのサポートのもと自らの手で完成させることも可能である。
ユーザーが注文した家具のデータは、小規模の工房や個人のメイカーに向けて作られている米国産のCNCミリングマシンであるShopBotを保有する工房に即時に送られる。工房は、材料をセットしShopBotのスタートボタンを押すだけである。
簡単に素早くオーダーメイドの家具のパーツが出力できるため、オーダーメイドでもコストを抑えて製造することができるようになる。
ユーザーの「つくる」をサポートする3つのサービスとは
EMARFは以下の3つのサービスにより、ユーザーの「つくる」をサポートする。
- 世界中のカスタマイズ可能なデザインテンプレートより洗濯
- ユーザーが編集した家具パーツの加工データを即時生成する独自開発技術
- 良質な国産材を供給できる地方の生産拠点を拡充
- LIFULL:東京都千代田区麹町
- 小友木材店:岩手県花巻市
- ミタキスペースファクトリー:愛知県豊川市
- ファブラボ阿蘇南小国:熊本県阿蘇郡南小国
- VUILD:神奈川県川崎市
幅・奥行・高さなどのサイズや、角の丸みといったディティールまでをユーザーが設計可能になっている。デザインテンプレートは、VUILD以外の家具デザイナーも登録できるため、ユーザーは世界中のデザインから好きな家具を選択できる。
デザインテンプレートの登録時には、VUILDが強度や製造方法などを監修する。サイズを変更した設計でも品質を担保して提供する。ユーザーは安心して自分の部屋や身体のサイズに合った、好きなデザインの家具を選択できる。
サービス開始時においては、「ぴったりの棚」、「さんかく椅子」、「やわらかい机」、「天女の椅子」の4種類のデザインテンプレートが用意されている。
注文後にShopBotの加工データが生成され、工房オーナーに届き、加工可能な状態をつくる。VUILDが独自開発してきたCAD/CAMにより、ユーザーの設計した家具をすぐに具現化することを可能にした。
今後はAPIの公開による他サービスとの連携や、ユーザーやデザイナーの手描きスケッチから3次元データを自動生成するなどの次世代CAD開発を計画している。
ユーザーは全国にある工房の中から製作する拠点を選択することができる。ユーザーは直接木材の生産地を訪れることで、流通にのせると高価となる良質な無垢材を安価に手にすることができる。
サービス開始時においては全国35カ所へのShopBot導入を行っており、うち下記の5カ所の工房オーナーのもとでの生産を開始する。
VUILDでは今後、ShopBotおよびEMARFの導入をすすめ、生産拠点を拡充していく方針だ。