日本の投資家の取得意欲は依然旺盛ではあるがやや慎重な傾向も

CBREは2019年4月4日、「CBRE投資家意識調査2019(CBRE Investor Intentions Survey 2019)」の結果に基づき、2019年の日本の投資家による不動産投資戦略についてまとめたレポートを発表した。

それによると、日本の投資家の取得意欲は依然旺盛ながら、やや慎重になっているという

2019年のもっとも魅力的な投資戦略は「プライムまたはコア」

まず、日本の投資家は、取得の際の最大の障害は「資産価格」と「投資案件の少なさ」と回答し、回答率は、それぞれ、44%と42%と高い結果になった。

日本の投資家が不動産に投資する理由としてもっとも回答が多かったのは,「安定した収益」(43%)になった。一方で、「より高いキャピタルゲインを期待できる」と回答した投資家は8%にとどまった。

同社では、投資家は現在の価格水準に対して慎重になっていると考えられるとしており、キャピタルゲインよりもインカムゲインを重視していると分析している。

また、2019年の魅力的な投資戦略としてもっとも回答が多かったのは、「プライムまたはコア」(35%)となり、次いで多かったのは「コアプラス/優良なセカンダリー」(29%)となった。ただし、投資家が選好する投資戦略は分散し、「コアプラス/優良なセカンダリー」(29%)、「バリューアッド」(21%)、「オポチュニスティック」(15%)など、他の投資戦略を選ぶ回答が前年に比べて増加した。同社ではより高い利回りを追求する投資家の姿勢がうかがえるとしている。

なお、アセットタイプは、「オフィス」が50%ともっとも多く、回答率は前回調査に比べて増加した。

また、アウトバウンド投資を「行っている」、もしくは「検討中」と回答した投資家の属性別割合は、デベロッパーがもっとも高く、全体の40%を占め、アウトバウンド投資に関しても日本の投資家の意欲は引き続き旺盛であることがわかった。

その一方で、20198年より選別的に投資すると回答した投資家は44%に上った。CBREでは、世界経済の見通しに対する不透明感が高まる中で、投資家はより慎重になっていると分析している。


※本調査は2019年1月末時点のもの。
CBRE投資家意識調査(CBRE Investor Intentions Survey)とは、不動産投資家の投資戦略を把握することを目的に、CBREが全世界で毎年実施しているアンケート調査である。同レポートでは日本の投資家を対象に集計、2019年の投資戦略のポイントをまとめたもの。実施時期は、2018年11月から2019年1月末で、アジア太平洋地域を投資対象とする投資家348名を対象として行った回答者属性(本社所在地)は、アジア太平洋地域は87%、うち日本は25%である。

<参照元>
「日本不動産投資家意識調査2019年」

モバイルバージョンを終了