アイティクラウドは、顧客の成功体験づくりを支援するカスタマーサクセス分野で提携したバーチャレクス・コンサルティングと、カスタマーサクセスに関する実態調査を実施、2019年4月5日にその結果を発表した。

86.3%もの人がカスタマーサクセスを「聞いたことがない」

まず、カスタマーサクセスという言葉を聞いたことがありますか?」という質問に対し、「聞いたことがある」と回答した人は13.7%の3,603人、対して「聞いたことがない」と回答した人は86.3%の22,693人に上る結果となった。

また、カスタマーサクセスという言葉を「聞いたことがある」と回答した人に、「カスタマーサクセスがどういうものか知っているか」と尋ねたところ、「よく知っている」と回答したのは全体の3.0%に当たる793人、「少し知っている」が全体の8.2%の2,170人、「全く知らない」と回答した人は全体の2.4%の640人となった。

同社によると2018年は「カスタマーサクセス元年」という声が良く聞かれたが、今回の調査により、全体の3%という限られた人しかカスタマーサクセスを理解していなかった事実が明らかとなったとしている。

また、カスタマーサクセスを「よく知っている」「少し知っている」と回答した人のうち(N=2,963)、「勤務先でカスタマーサクセスに取り組んでいる部署、または担当者がある/いる」と答えた人は25.5%(757人)、「今後取り組む予定」と答えた人は16.5%(489 人)だった。

全体で見ると、こちらも取り組み中企業は2.8%と一部の企業でしか実践されていない実態が明らかとなった。

外資系企業と日系企業の間にみられる大きな認知の差

回答者の属性別で見ると、外資系企業に勤務する人のうち、カスタマーサクセスを「聞いたことがある」人は51%、「聞いたことがない」人は49%とほぼ半数ずつだったことに対し、日系企業に勤務する人の認知度は「聞いたことがある」人はわずか15%、「聞いたことがない」人は85%と、大きな認知の差が見られた。

カスタマーサクセスの取り組み状況については、勤務先に「取り組んでいる部署、または担当者がいる」と答えた人は、外資系企業が48%、日系企業が23%だった。

また、「取り組んでいる部署、または担当者はおらず、今後も取り組む予定はない、かつ必要性も感じていない」と答えた人は、外資系企業が3%、日系企業が22%となった。

外資系企業勤務者におけるカスタマーサクセスの認知、取り組み率は高く、必要性を感じている割合も高くなっている一方で、日系企業勤務者の中での認知は低いうえ、必要性を感じていない割合が高い結果となった。

同社では、事業形態などの違いはあるものの、カスタマーサクセスが進む欧米の影響を受けやすい外資系企業と、そうでない日系企業とでカスタマーサクセスに関する認知や取り組みに関する温度差がある現状が表れた結果とみている。

さらに、従業員規模別で取り組み状況を見た場合、10,000人以上の企業で一番高く、「取り組んでいる部署、または担当者がいる」と回答した割合が44%となった。

一方、一番低かったのは10人未満の企業で8%だった。従業員規模が大きいほど、カスタマーサクセスの取り組み実績があり、必要性を感じている企業が多いことが分かる結果となった。


※本調査は2019年3月時点のもの。
調査は、2019年3月20日~2019年3月21日の間に全国の20歳から65歳のビジネスパーソン(有職者)26,296人を対象に行われた。
※パート・アルバイト、専業主婦・主夫、学生を除く、

<参照元>
カスタマーサクセス「聞いたことがない」86.3% “カスタマーサクセス元年”はまだ訪れていなかった!? 国内での普及はいよいよこれから