リサーチとコンサルティングを提供する米国のフロスト&サリバンは2019年4月2日、トラック・アズ・ア・サービス(TaaS)市場に関するグローバル展望を発表した。

それによると、自動運転トラックやサービスとしてのモビリティビジネスの台頭によって、同市場は2025年に向けて世界的に大きな成長が見込まれているとしている。

もっとも大きな成長を遂げるのはデジタル貨物仲介サービス

同社の分析では、TaaSのグローバル市場は2018年の132億6,000万米ドルから2025年までに794億2,000万米ドルに成長する見通しだ。

同市場規模におけるTaaSには、デジタル貨物仲介サービス(ウェブやスマホアプリなどのデジタルプラットフォームを経由して行う貨物仲介サービス)、テレマティクスサービス、ビジネスアナリティクス(BA)、デジタル小売、トラック隊列走行が含まれる。

特にデジタル貨物仲介サービスがもっとも大きな成長を遂げる見込みとなり、同市場規模は2025年に542億米ドルに成長する見通しだ。

一方、テレマティクス端末はグローバルで2018年の2,570万台から2025年に7,310万台以上に成長する見通し。トレイトングループやダイムラー、ボルボといった世界的なトラックメーカーは、自動運転トラックやサービスのコネクテッド化やスマート化を採用する意向を示しており、TaaSの普及は着実に進んでいる。

またトラックメーカーやディーラーがTaaSの新たな市場機会を活用するには、以下への取り組みが推奨されるとしている。

  • デジタル技術に関連するスタートアップへの投資によるリアルタイム診断、サービス・修理のオンライン予約、遠隔修理や故障診断および予後診断への対応
  • オムニチャネルの顧客接点の活用を通じたデジタルチャネルにおける顧客体験の個別化
  • デジタルチャネル経由の営業リードによる顧客ロイヤルティの構築、アフターサービスとメンテナンス販売に向けた顧客管理プログラムの開発
  • アフターサービスのコネクテッド化によるサービスの差別化、顧客の行動に関するより深い洞察の取得
  • 先進運転支援システム(ADAS)などの新技術の整備、ヘルス・ウェルネスに向けた取組み、ドライバーの訓練


※本調査はフロスト&サリバンのリサーチ「トラック・アズ・ア・サービス市場の2025年に向けた展望」ように実施されたもの。

<参照元>
『自動運転技術でトラック・アズ・ア・サービス市場が大きな進化へ-デジタル貨物仲介サービスが542億米ドル規模で最も大きな成長の見込み』フロスト&サリバン