入社前から退職時期を想定しているのは24.4%「内定先企業の退職予定時期」

人事のための総合メディア「@人事」を運営するイーディアスは、2019年3月卒業の大学生を対象に、「内定先企業の退職予定時期」に関する調査を実施、2019年4月1日にその結果を発表した。

それによると、入社前の時点で「具体的な退職時期」を想定している学生は24.4%もおり、その理由として「キャリアアップしたいから(23.6%)」「理想とのギャップ(15.7%)」などが挙げられたという

20年間連続で大卒新入社員の3年以内の離職率30%超え

イーディアスによると、新入社員の離職率は高い。厚労省の調査によると、2015年3月に大学を卒業して就職した新入社員のうち、31.8%が入社3年以内に離職している(「
新規学卒就職者の離職状況(平成27年3月卒業者の状況)を公表」)。

これは「ゆとり」「さとり」世代といった近年の若者に限った傾向ではない。1995年から20年間連続で、大卒新入社員の3年以内の離職率は30%を超えている。そこで、新入社員は、どのような理由から早期離職を決断するのか調査した。

まず、「内定先企業を辞めよう」と想定している時期について尋ねたところ、もっとも多かった回答は「辞めることを検討していない(60.8%)」、次いで「辞めようと思うが、具体的な時期は分からない(14.8%)」という結果になった。

一方で、「半年~1年未満」「1年~3年未満」など具体的な退職時期を想定している学生は24.4%に上り、入社3年以内の平均離職率に相当する割合になった。

さらに、さらに、退職予定時期ごとに「退職を決意した理由」について見ていくと、大きく以下のような傾向がみられた。

【半年~1年以内】内定承諾後に会社のマイナス面を知る

【1年~3年以内】他にやりたいことがある

【3年~10年以内】長年同じ会社に在籍し続けることにメリットを感じない

【具体的な時期は未定】明確な理由はないが、同一企業で定年まで働く意思がない

主な辞める理由は「キャリアアップしたいから」

続いて、辞める意向がある学生に対し、現時点で「内定先企業を辞めたい」と思う理由について尋ねたところ、主な回答として「キャリアアップしたいから(23.6%)」「理想とのギャップ(15.7%)」「(内定先の企業で)残業、休日出勤が多い(14.7%)」などが挙げられた。


そして、「3年以上在籍したい」と思う会社の条件について聞いたところ、「良好な人間関係(49.3%)」「休日が多い、休暇が取りやすい(33.9%)」「待遇や福利厚生に満足できる(30.0%)」など、職場環境や待遇に関する回答が目立った。

以下、フリーコメント形式で「学生が『内定先企業を辞めたい』と思う理由」について紹介する。

【明確な理由はないが、同一企業で働き続ける意思がない】

【内定先企業が「ブラック企業」であることが判明】

【ワーク・ライフ・バランスを重視】

【人間関係のトラブルを不安視】

そのほか、【内定先企業とのマッチング不足】【先行き不安な事情がある】などについても多数のコメントが寄せられた。

※本調査は2019年3月度時点のもの。
2019年春に卒業・入社予定の全国の大学生・男女487名を対象としている。新入社員の離職率が高いという現状から新入社員は、どのような理由から早期離職を決断するのだろうかということを探った。

<参照元>
『今春入社する新入社員の4分の1は、既に「会社を辞めること」を決意しています。【2019年度入社予定者|早期離職に関する意識調査】』

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