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2019年3月28日、市場調査メディア ホノテが、「バイトテロ」に関する調査の結果を公表した。
最近、「バイトテロ」の話題が増えている。アルバイト従業員が、不適切な動画や画像をSNSに投稿することで、飲食店などが“炎上”するというものだ。企業業績に影響をおよぼす場合もあるという。
本調査は、アルバイトを取り巻く環境や、「バイトテロ」に対する考えなどを明らかにする目的で実施された。
調査結果では5つのトピックスが示されている。
- 4割を超えるアルバイト先で、「正社員が不在になる時間帯がある」
- 勤務中のスマホ・携帯電話の操作について、15%が「禁止されているが操作している」
- 34%で、バイトテロ行為を禁止するルールやマニュアルが「ある」
- 10人に1人が「バイトテロ」現場に遭遇
- SNSで炎上した場合、 「アルバイトの責任」が63%で圧倒的
4割を超えるアルバイト先で、「正社員が不在になる時間帯がある」
バイトテロが起きる背景として、正社員が不在となる時間帯の存在があるという。
調査では、10~20代の学生アルバイトに、「実際に正社員が不在になる時間帯があるのか」質問した。
「ある」と回答した人は43%。正社員不在となる状況が、珍しいことではないという結果となっている。
勤務中のスマホ・携帯電話の操作について、15%が「禁止されているが操作している」
バイトテロでは、スマホや携帯電話で動画や画像を撮影し、SNSに投稿することで炎上する。
そこで、「アルバイト勤務中に、個人のスマホや携帯電話を操作することがあるか」について、頻度を含めて聞いている。結果は「よくある」11%、「たまにある」25%。合計37%で、操作することがあるとわかった。
また、そもそも「アルバイト勤務中に、個人のスマホや携帯電話を操作すること自体、勤務先から許可されているのか」についても調べている。結果、「許可されている」は33%、「許可されていない」は67%だった。
なお調査では、“アルバイト勤務中にスマホ・携帯の操作が許可されていないにも関わらず、操作している”という人の割合を算出している。
その結果、「よくある」3%・「たまにある」12%で、15%存在するという実態が明らかになった。
34%で、バイトテロ行為を禁止するルールやマニュアルが「ある」
バイトテロ防止策としては、バイトテロ行為を禁止するルールやマニュアルなどの用意が考えられるという。
雇用主側はどの程度準備しているのか。学生アルバイトに、現在勤務するアルバイト先の状況をたずねたている。
結果、「ある」は34%で、「ない」が31%となった。「わからない」は35%。ルールやマニュアル等の用意があったとしてもその存在を認識していない人も存在しているようだ。
10人に1人が「バイトテロ」現場に遭遇
実際に、「バイトテロに相当する行為を見かけた/自身がした」、という人はどのくらいいるのか。
調査では12%が、「見かけたことがある」と答えている。学生アルバイトの10人に1人ほどが、実際にバイトテロに遭遇しているということになる。また、「自分自身がしたことがある」も2%存在したという。
さらに、勤務するアルバイト先に関わらず、「普段の生活の中で、バイトテロ行為の現場や動画などを、見聞きした経験があるか」聞いている。結果、見聞きしたことがある人は半数を超え、52%となった。
「どこで見聞きしたか」について調べると、Twitter、Instagram、Facebookといった「SNS」が40%でダントツとなっている。2番目はYouTube、ニコニコ動画、TikTokなどの「動画投稿サイト」で15%だ。「友人や家族等の話」が、10%で3番目になっている。
SNSで炎上した場合、 「アルバイトの責任」が63%で圧倒的
バイトテロによってSNSで炎上した場合、その責任はどこにあるのか。「アルバイト」と、アルバイトを雇っている「会社」のどちら側にあると思うか、考えを聞いた。
結果、「アルバイトの責任」だと思う人が63%、「会社の責任」だと思う人が10%となっている。炎上させたアルバイトの責任だと考えている人が、圧倒的に多いことがわかるという。
調査では、それぞれの回答理由を聞いている。
アルバイトの責任だと考える理由
- アルバイトの独断的な行為で、店側が責任を負う必要はない
- スマートフォンなどの使用禁止など、バイトができる年齢にもなってルールも守れない、モラルもないようなアルバイトが悪い
- 問題となる行動をし、それを録画しアップロードするという3段階を踏んでいるため、故意的である
- 正社員が不在の時や、正社員の目を盗んで行われると思うので、会社は防ぎようがない
雇っている会社の責任だと考える理由
- アルバイトはあくまでアルバイト。責任があるのは社員だから、教育も含めて社員が悪い
- 問題を起こしたアルバイトを雇ったのは会社だから
どちらともいえない理由
- アルバイト側に非があると考えられるが、そのようにさせてしまう環境に置くことにも問題がある。正社員が不在の状態がないようにしなければならない
- そのアルバイトはもちろん悪いと思うが、企業側の管理不足でもあると思う。バイトがスマホを触れる時点で悪い
今回の調査結果からホノテでは、「バイトテロを防ぐためには、雇用主側の今以上の制度の整備なども有効かもしれない」との考えを示している。
※ 本文の数値は四捨五入した整数で表記している。
※ 百分率表示は四捨五入の丸め計算をおこなっており、合計が100%とならない場合がある。
※調査概要:調査期間は、2019年3月24日~25日。調査対象は、1都3県、2府2県に在住する15歳~29歳の高校・高専生、大学・短大・専門・予備校生のうち、アルバイトをしている者(マクロミルモニタ会員)。エリア別の学生アルバイト比率で割付し、1都3県(380サンプル)・2府2県(390サンプル)で、合計770サンプルについて調べている。