スパークス・アセット・マネジメント株式会社は、社会に出て間もない若手世代(若手社員)と定年を控えた世代(プレ定年)の間で、マネー意識にどんな違いかを明らかにするための調査(※)を実施し、その結果を公開した。

主な調査結果(抜粋)は以下のとおりとなった。

  • 約8割の若手社会人が消費増税で景気が悪化すると予想。プレ定年では約9割
  • 約8割の若手社会人、プレ定年が消費増税を理由に節約に励みたいと考える
  • 若手社員が抱くお金の負担のトップは賃金・収入の減少。生活費増加、貯蓄額減少が続く
  • プレ定年が抱くお金の不安のトップは賃金・収入の減少。年金制度破綻、老後資金枯渇が続く
  • 若手社会人の預貯金額の平均は121万円。プレ定年では平均1,520万円
  • 4人に1人の若手社会人がすでに投資デビュー済
  • 若手社会人のうち4割の投資未経験者が投資デビューを計画
  • 若手社会人の平均投資額は69万円、プレ定年では平均898万円

約8割の若手社会人が消費増税で景気が悪化すると予想。プレ定年では約9割。

2019年10月の消費増税により景気が悪化すると思うか聞いたところ、若手社会人では77.4%が「そう思う」(「非常に」「やや」の合計。以下同様。)と回答。「そう思わない」と答えた若手社会人は22.6%だった。

一方プレ定年では、全体の89.0%が「そう思う」と回答。「そう思わない」と回答したのは全体の11.0%にとどまった。

同社は、プレ定年のほうが消費増税による景気の悪化を懸念していると指摘している。

約8割の若手社会人、プレ定年が消費増税を理由に節約に励みたいと考える

消費税が増税することで節約に励みたいと思うか聞いたところ、若手社会人の77.2%が「そう思う」と回答、「そう思わない」と回答したのは22.8%だった。

一方プレ定年では、全体の79.8%が「そう思う」と回答、「そう思わない」と回答したのは20.2%だった。

同社は若手社会人・プレ定年どちらも約8割が消費増税により、節約に励もうと考えている点を指摘した。

若手社員が抱くお金の負担のトップは賃金・収入の減少。生活費増加、貯蓄額減少が続く。

若手社員に対し、お金についてどんな不安を感じているか聞いたところ、「賃金・収入の減少」が45.4%でトップだった。2位以下は、「生活費の増加」(41.8%)、「貯蓄額の減少」(38.8%)、「増税」(28.6%)、「浪費額の増加」(23.2%)と続いた。

プレ定年が抱くお金の不安のトップは賃金・収入の減少。年金制度破綻、老後資金枯渇が続く。

次にプレ定年に対し、お金に対する不安は何か聞いたところ、1位は「賃金・収入の減少」(74.2%)だった。2位以下は、「年金制度の破綻」と「老後資金枯渇」が44.8%で同率、「貯蓄額の減少」(42.8%)、「増税」(33.8%)と続いた。

1位の「賃金・収入の減少」については、若手社会人よりプレ定年の割合の方が28.8%高いという結果になった。

同社は、あと数年で定年をむかえるプレ定年は、定年後の収入に対する不安が大きいのではないだろうか、と推測している。

実際、2位には「年金制度の破綻」と「老後資金枯渇」が並んでおり、同社はプレ定年の多くが老後のお金に不安をいだいていると指摘している。

若手社会人の預貯金額の平均は121万円。プレ定年では平均1,520万円

預貯金額について聞いたところ、若手社会人では「100万円~200万円未満」(25.8%)との回答がもっとも多く、「10万円未満」(18.2%)、「10万円~50万円未満」(19.8%)、「50万円~100万円未満」(17.6%)が続いた。平均は121万円だった。

プレ定年では「1,000万円~2,000万円未満」(18.8%)が最も多く、「2,000万円~3,000万円未満」(8.8%)、「3,000万円~5,000万円未満」(9.2%)、「5,000万円以上」(9.4%)が続いた。平均は1,520万円だった。

4人に1人の若手社会人がすでに投資デビュー済

投資経験の有無について聞いたところ、若手社員では「現在行っている」(22.0%)、「以前行っていたが、現在は行っていない」(3.4%)あわせて25.4%が行った経験ありと回答した。

たいしてプレ定年では「現在行っている」(41.0%)、「以前行っていたが、現在は行っていない」(11.0%)あわせ、52.0%が投資経験ありと回答。

同社は若手社会人では投資未経験者が多数派だった一方、プレ定年では投資経験者が多数派である点を指摘した。

若手社会人のうち4割の投資未経験者が投資デビューを計画

投資を行っていない人に対し、将来的に投資を行いたいか聞いたところ、若手社会人では「今後行いたいと思う」が全体の38.3%、「今後行いたいと思わない」が61.7%だった。同社は、若手社会人のなかには投資デビューを考えている人が少なくないようだと話している。

若手社会人の平均投資額は69万円、プレ定年では平均898万円

現在投資を行っている人に対して、現在の投資額を聞いたところ、若手社会人では「50万円未満」が60.9%と特に高く、平均は69万円だった。

対してプレ定年で最も多かったのは「500万円~1,000万円未満」(22.9%)で、平均額は898万円だった。

※調査概要
◆調査タイトル :若手社会人とプレ定年のマネー意識に関する調査2019
◆調査対象 :ネットエイジアリサーチのインターネットモニター会員を母集団とする
20歳~29歳で社会人歴3年以下の人(若手社会人)と
57歳~69歳で今後3年以内に定年退職する予定の人(プレ定年)
◆調査期間 :2019年3月7日~3月12日
◆調査方法 :インターネット調査
◆調査地域 :全国
◆有効回答数 :1,000サンプル
(有効回答から男女×若手社会人・プレ定年が均等になるように抽出)

<参照元>
スパークス・サーベイ -世相をスパッと一刀両断-平成最後の生活者調査!若手社会人とプレ定年のマネー意識に関する調査 2019