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新元号の発表が4月1日に迫るなか、日本人は「昭和」「平成」「新元号」それぞれの時代にどのようなイメージを抱いているのだろうか。
インテージでは、日本各地に住む人を対象として各時代のイメージや連想する漢字についてのアンケート調査(※)を実施。その結果を発表した。
主な調査は以下のとおりとなった。
- 新元号の時代の印象、「明るい」との回答が7割超。若年層ほど「明るい」をえらぶ率が高く10代では8割超。
- 「昭和」のイメージ、漢字で表すと1位「戦」、2位「古」、3位「懐」
- 「平成」のイメージ、漢字で表すと1位「災」、2位「変」、3位「乱」
- 「新元号」のイメージ、漢字で表すと1位「新」、2位「安」、3位「明」
新元号の時代の印象、「明るい」との回答が7割超。若年層ほど「明るい」をえらぶ率が高く10代では8割超。
各時代の印象について「明るい」「暗い」いずれであるかを聞いた。結果、「明るい」と回答したのは「昭和」では全体の67.4%、「平成」ではやや下がり61.6%、新元号では逆に増えて73.1%となった。
同社は、新元号の時代に対する期待がうかがえると述べている。
年代別では、「昭和」に関しては年齢層が上がるにつれ「明るい」との回答率が高くなり、平成では逆に年齢層が下がるにつれ「明るい」との回答率が高くなった。
同社では、回答者が自分が生まれ生きた時代についてより肯定的にとらえているようだとの見解を示している。
また、これから日本を背負うことになる10代において、自分が生まれた「平成」と新元号の時代に関し「明るい」と回答した割合が高い点を「特に目を引く」と指摘。
10代が、平成や新元号の時代を肯定的に感じているようだと語った。
「昭和」のイメージ、漢字で表すと1位「戦」、2位「古」、3位「懐」
昭和のイメージについて漢字一文字で表してもらったところ、最も多かったのが「戦」。2位以降は「古」「懐」が続いた。
同社はこの結果について、昭和が遠いものに感じられている表れと語っている。トップ10をみると、そのほかに「変」「動」「進」といった変化・動きをあらわす文字が並んでいる。
また同社は年代別にみて昭和に対するイメージの強弱に違いがある点を指摘。
たとえば1位の「戦」の回答率が特に高かったのは10代で、20代以降は、その割合が下がった。また全体としては25位にとどまった「金」が、10代・20代では7位にランクインしていた。
この結果について同社では、この世代ではバブルもインパクトがある昭和の出来事と考えられているようで、平成生まれの彼にとっては昭和が生まれる前の昔のことになっていると語った。
また全体で3位の「懐」は30代~50代で選択した割合が高くなっており、60代では回答率が低い。
逆に60代の回答割合が高かった漢字は「動」「活」「昇」など、自分たちが体験してきた戦後の復興・経済成長、活気を連想させる文字が多いと、同社では指摘している。
そのほか同社は「和」という文字について、世代間で選択している理由が異なっている点に注目。
理由コメントをみると、10代ではレトロ、40代では周囲と調和するという意味での「和」が回答されていると話した。
くわえてデジタルネイティブ世代の30代も、昭和をアナログ的な安心感がある時代、ほっこりする時代として懐かしんでいる様子が印象的だ、と語った。
「平成」のイメージ、漢字で表すと1位「災」、2位「変」、3位「乱」
次に平成については、東日本大震災をはじめとした災害が多かったことが反映してか、「災」という文字を想起した人が全世代で最も多かった。
また平成でも世代間の違いがでており、10代では「和」「平」をえらんだ割合が他世代と比較して高かった。
なお「昭和」の印象について「戦」をえらんだ割合が高いのも10代であり、同社では日本の参戦がなかった平成が日本にとって平和な時代であったことを、この世代が強く感じている様子だと指摘している。
また同社はランキング3位の「乱」について、年代が高くなるごとに高くなっている点に注目。昭和を経験している期間が長い世代のほうが、コメントをみても政治・経済をはじめ世の中の秩序、自然の乱れを強く感じているようだと指摘している。
平成でイメージする漢字について、30代では「変」「新」のように時代の変化をあらわすイメージが強かった。
またバブル崩壊後に社会人となった40代になると「激」「震」「動」のように、時代の激しさやダイナミズムを感じさせる漢字がえらばれていると、同社は指摘している。
「新元号」のイメージ、漢字で表すと1位「新」、2位「安」、3位「明」
新元号の時代のイメージをあらわす漢字のトップは「新」で、同社は新しい時代に対する期待・希望・願いが表れていると語った。
また新元号の時代についても世代間のイメージの違いがみられ、1位の「新」は若い世代ほどえらぶ割合が高い傾向となっている。
同社は理由コメントをみると、10代・20代は新しい気持ちで新元号の時代に向き合っている一方、改元を経験済みの世代からは、それまでの体験をベースにより具体的な希望・願いが感じられると指摘。
平成のイメージにおいて「乱」をえらんだ割合が高かった60代では、新しい時代に「和」を求める傾向が強く、バブル崩壊後に社会人となった40代は「安心」「安定」「安らぎ」を求める声が、若い世代より多く挙がっていると語った。
くわえて、デジタルネイティブ世代・ゆとり世代と呼ばれてきた30代については、新しい時代の変化を予測しつつ、楽しみにしている様子がうかがえると指摘した。
※調査概要
調査地域:日本全国
対象者条件:15~69 歳の男女
標本抽出方法:弊社「マイティモニター」より抽出しアンケート配信
調査実施時期: 2019年3月14日(木)~2019年3月19日(火)
<参照元>
新元号時代のイメージを表す漢字ランキング