ドコモ、オンデマンド交通システム「AI運行バス」スタート。2020年度末までに100エリアに導入

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NTTドコモは2019年3月26日、AIを活用したドコモのオンデマンド交通システム「AI運行バス®」を、2019年4月1日より日本全国で提供を開始すると発表した。

あわせて、自動運転サービスの商用化など、交通系の新サービス創出をめざした活動を進めるコンソーシアムであるスマートモビリティ推進コンソーシアムの取り組みの一環として実証実験を続けてきた九州大学伊都キャンパスにおいて、同日より商用提供を開始した。

スマホや電話から利用できる「AI運行バス®」とは

ドコモでは、2017年3月より未来シェアとモビリティサービスプラットフォームの共同検討を開始しており、これまで東京都副都心地区、九州大学、兵庫県神戸市、鹿児島県肝付町、神奈川県横浜市、群馬県前橋市などにおける実証実験を通して、リアルタイムに効率的な車両・ルートを導き出すAI配車機能の確立に取り組み、一定の品質・性能を実現することができた。実証実験では延べ9万人の輸送の実績がある。

「AI運行バス®」は、需要に応じて配車されるので、乗客は時刻表などを気にせず、いつでも気軽に利用できるバスだ。予約は乗車人数、乗降場所、乗降希望時刻などを伝えるだけ。スマートフォンのアプリや電話から利用可能となる。

また時刻表も運行ルートも決まっておらず、利用者の移動需要に最も効率的に対応できる送迎順で、必要な乗降ポイント間を走行することができるため、定時・定路線の循環バスなどに比べ、利用のない区間の走行が不要になるなどの効率化も見込める。

AIが乗降リクエストを計算し効率的な乗り合わせを実現

具体的な仕組みは、出発地・目的地の異なる多くの乗客の乗降リクエストが新たに発生すると、複数の車両から効果的な配車・ルートを算出するための膨大な計算を、AIを利用することでリアルタイムに行うことができ、効率的な乗り合わせ(乗り合せる組合せ)を実現する。

日本全国の大量の人口統計データを活用し、移動需要のある場所、時間、乗車人数を事前にAIで予測し、それに応じた走行ルートや配車数の決定を可能とする。

近年、鉄道やバスなどの異なる移動手段を統合し提供するMaaS(mobility as a service)が課題解決に繋がるとして注目されている。NTTドコモは、「AI運行バス」は、移動手段に加え、商業施設のサービスを、MaaSプラットフォームとして統合することで、交通と商業施設の連携を促し、交通需要増大および商業施設の売上向上につなげ、結果として、移動の社会課題解決を目指す。

今後は「AI運行バス」の提供により、移動利便性向上と地域経済活性化など社会課題解決に貢献し、2020年度末までに100エリアでの導入を目指す方針だ。

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