ソフトバンクと福岡ソフトバンクホークスは2019年3月20日、新時代のスポーツ観戦の実現に向けて、福岡 ヤフオク!ドームで第5世代移動通信システム(5G)を活用して、多視点切り替え可能な3Dパノラマ映像を用いた、VR空間における試合観戦に関する実証実験を行い、成功したと発表した。
観戦者がアバターとしてVR空間に出現するアプリを開発
実験では、ヤフオクドームのホームベース後方フェンス内など、特別な場所に設置した高画質VRカメラで撮影した試合の模様を、3.7GHz帯および28GHz帯で構築した5Gネットワークを通して、VRヘッドセットに伝送した。
高画質な3Dパノラマ映像としてVRヘッドセットから試合観戦することができたほか、複数設置されたVRカメラの視点を自由に切り替えながら観戦を実現したという。
また、より観戦を楽しめるように、ヤフオクドームの「スーパーボックス」の内装や備品などのリアルな質感をVR空間に再現して、VRヘッドセットを装着した観戦者がアバターとしてVR空間に出現するアプリケーションを開発した。
VR空間では、観戦者同士がリアルタイムに会話できるとともに、顔の向きや口の動きも再現される。シーンごとに好きな視点に切り替えることや、アバターを通してVR空間で観戦者同士が会話をしながら野球観戦ができたという。
今回開発したアプリケーションは、ソフトバンクが「第3回 SoftBank Innovation Program」で選考した、「AR(拡張現実)/VR(仮想現実)」をテーマにした案件で開発したアバターを利用したVRコミュニケーションサービスの技術の一部を使用している。
今回実施した実証実験では、「超高速」「大容量」という5Gの特長を最大限活用することで、高画質な3Dパノラマ映像に加えて、VR観戦用のアプリケーションというリッチコンテンツをVR空間で複数人同時にコミュニケーションを取ることができたという。
両社では、例えば球場にいない場合でも、ヤフオクドームの「スーパーボックス」など特別な空間から野球観戦をしているという疑似体験が可能になるなど、スポーツ観戦をはじめとしたコンテンツ体験の新たな可能性が確認できたとしている。
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