2019年3月19日、電気通信事業者協会が、「スマホネイティブの恋愛事情」をテーマとした調査の結果を公開した。
現在の中高生たちは、物心ついたときからインターネットに触れ、親以上にスマホを使いこなしている人が多い。一方で、固定電話、ポケベル、PHS、ガラケー、スマホといった連絡ツールの変化は、恋愛におけるコミュニケーションのあり方にも大きな影響をおよぼす。
そこで今回、中高生のスマホユーザーを対象とした「恋愛」に関する調査を実施し、「スマホネイティブ」ならではの恋愛の実態を探ったという。
調査期間は、2019年2月25日~3月4日。調査対象は、スマートフォンを所有する13~18歳の中高生、500名だ。
調査結果の主なトピックスは、以下の4点。
- 「恋愛にスマホは必須」と約8割が回答。 「出会いのツール」と認識する中高生も
- 6割が「SNSで知らない異性とコミュニケーション」。相手に恋愛感情を持た
- 約7人に1人の中高生が「出会い系サイト・アプリ」の閲
- 子どもの「出会い系サイト・アプリ」閲覧。親は把握していない
「恋愛にスマホは必須」、約8割が回答
調査ではまず、「スマホ」と「恋愛」の関係について調べた。「恋愛をするうえで、スマホは必要不可欠なアイテムだと思う?」と聞いている。
結果、中高生の約8割(77%)がYESと答えた。
具体的な必要性として、「恋愛においてスマホはどのような点で役に立つ/または必要になると思いますか?」という質問も行った。
「交際相手との仲を深める」(69%)、「恋愛対象の相手と仲良くなる」(63%)という回答が多かった。また、「恋愛対象になる相手と新しく出会う」(23%)と回答した人が約4人に1人となった。
調査を実施した電気通信事業者協会では、「スマホを『異性との仲を深める』だけでなく、『異性と出会う』ためのツールと認識している中高生は少なくないようだ」とみている。
6割が「SNSで知らない異性とコミュニケーション」
調査では次に、「スマホを使って異性と出会うことは“アリ”だと思いますか?」と聞いている。
結果、「アリ/方法によってはアリ」と答えた人の合計は72%となった。スマホを通じた出会いに対して、大きな抵抗を持たない中高生が多いことがわかるという。
具体的には、SNSを通じて異性と知り合うケースが多い、という数字も出ている。
「スマホを使って、SNSで知らない異性とコミュニケーションをした経験がある」中高生は、60%にのぼることが判明した。
また、SNS上でのコンタクトにとどまらず、「SNS上のコミュニケーションを通じて、相手に恋愛感情を持たれた(または自分が持った)ことがある」人も約5人に1人(22%)、「SNSをきっかけとして、知らない異性と実際に会ったことがある」人は約7人に1人(14%)となっている。
約7人に1人の中高生が「出会い系サイト・アプリ」の閲覧経験あり
SNSだけでなく、「出会い系サイト・アプリ」についても調べている。
スマホを持ったことで「出会い系サイト・アプリの広告や情報を目にすることが増えた」という中高生は、54%と半数以上いることがわかった。
また、「出会い系サイト・アプリがどのようなサービスなのか興味がありますか?」という質問も行った。これについては、約4人に1人(23%)が「ある」と回答している。
「実際に出会い系サイトやアプリを閲覧してみたことがある?」という問いでは、中高生の約7人に1人(15%)がYESと答えた。
この結果について同協会では、「現在、法律により、18歳未満の出会い系サービスへの登録は固く禁じられているが、登録まではいかないものの、興味本位でサイトやアプリを覗いてしまう中高生は少なくないようだ」コメントしている。
子どもの「出会い系サイト・アプリ」閲覧。親は把握していない可能性が大
出会い系サイト・アプリについて、「閲覧したことを誰かに話しましたか?」という質問も行った。対象は、前問で「実際に出会い系サイトやアプリを閲覧してみたことがある」と回答した中高生だ。
結果、59%と大多数は「誰にも話していない」と回答している。
「友人・同級生」(27%)、「学校の先輩」(11%)などの回答がみられたが、「親」と回答した中高生は4%にとどまった。親たちの多くは、子どもが「出会い系サイト・アプリ」を閲覧していることを、把握していない可能性が高いという。
調査では、「出会い系サイト・アプリを閲覧したことを親に話していない理由」についても聞いている。「恥ずかしいから」(37%)、「親を不安にさせるから」(24%)、「怒られそうだから」(23%)などが上位となっている。
「スマホやSNSを通じた異性との出会いには危険があると思いますか?」という質問では、約9割(89%)が「そう思う」と回答した。
同協会では、「スマホやSNSを通じた出会いのリスクを理解しながらも、ネットでの出会いへの興味がまさってしまう中高生は少なくないと言えそうだ」との考えを示している。
<出典元>
「恋愛」に関する意識・実態調査
電気通信事業者協会