SleepTech(スリープテック)事業を展開するニューロスペースとKDDIは2019年3月13日、SleepTechを活用した睡眠サービスを提供開始すると発表した。
このサービスでは、両社が共同開発した睡眠アプリ「Real Sleep」と、イスラエルのヘルスケアIoT機器ベンチャーEarlySenseの高精度睡眠計測デバイスを、KDDIが展開するホームIoTサービス「au HOME/with HOME」と連携し、さらに他事業者が協業しやすい環境を整え、人々の健康・生活の質向上に資する睡眠サービスを提供する。
第一弾として、フランスベッドが発売する高精度睡眠計測デバイス内蔵のスマートマットレスで、睡眠のモニタリングと、モニタリング結果から睡眠改善のためのアドバイスを受け取ることができるサービスを展開する。
自身の睡眠状態を計測でき良質な睡眠へ導くサービス
米国のランド研究所の2016年11月の調査によると、睡眠課題による日本の経済損失の額は15兆円とされており、「仕事のパフォーマンス劣化による経営効率の低下」「若年期の学校成績不振による個人の能力開発の妨げ」「死亡率上昇による労働人口の減少」など睡眠課題に起因する経済損失への影響が懸念されている。
このような状況を受け両社は睡眠サービスを共同開発した。このサービスは、KDDIの「ホームIoTのサービス基盤・提供センサー」「コンシューマービジネスノウハウ・基盤」「協業パートナーチャネル」と、ニューロスペースの「睡眠改善の現場実践ノウハウ」「睡眠計測・解析テクノロジー」「睡眠アドバイス等のソリューション基盤」を連携したものである。
高精度に睡眠を計測可能な「睡眠センサー」、睡眠状態の見える化と個人化したアドバイスを受け取れる「睡眠アプリ」、睡眠に関係する環境情報の取得や睡眠状態などをもとにした環境制御を行う「ホームIoT」の3つで構成されている。
ユーザーは、毎日自身の睡眠状態を高精度に計測でき、その結果を日々確認しながらより良い質の睡眠を取るためのアドバイスを受け取ることが可能になる。また、将来的には、自身の睡眠に適した寝室環境などの制御が行える機能追加を予定している。
フランスベッドと共同で睡眠センサーを内蔵したスマートマットレスを展開
そして、ニューロスペースとKDDIは、睡眠サービス展開の第一弾協業プロジェクトとして、フランスベッドと共同で睡眠センサーがあらかじめ内蔵されたスマートマットレスを展開する。これにより、購入者がマットレス購入後に自身の睡眠をモニタリングし、睡眠改善のためのアドバイスを受け取ることができるようになる。
フランスベッドと共同で、これまで売り切りのビジネスモデルが中心であった寝具の販売において、販売後のユーザーへの継続的な付加価値提供を行うサービスモデル展開への試行を行い、寝具業界としての新しい試みに挑戦する。
サービス開始は2019年3月15日を予定しており、今後、両社は、睡眠×ホームIoTでコラボレーション可能な住宅、健康サービスなども視野に入れた事業展開を目指す方針だ。
img:Neuro Space