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アクセンチュアが、調査レポート「男女ともに活躍する企業への変革2019(Getting to Equal 2019) 」を発表した。
本調査は、日本を含む世界27カ国の働く男女18,000人以上を対象に実施したアンケート・日本を含む8カ国の経営幹部150人以上を対象としたアンケート・アンケート調査の結果と公開されている労働力データを組み合わせたモデルをベースにしている。
また、今回の調査では、イノベーション・マインドセット(イノベーション創出への意欲と、実現するための能力)を、以下の6つの要素に分けて定義し、それぞれをスコア化した。
- 目的
組織の目的を理解し、目的実現に向けて取り組んでいる。 - 自律性
変革を推進していくことが認められ、信頼されている。 - リソース
イノベーション創出に必要なツール、時間、またインセンティブが用意されている。 - インスピレーション
組織外からインスピレーションを得ることができる。 - コラボレーション
組織を超えて、他部門と協働する機会がある。 - 挑戦
失敗を恐れることなく、新しいアイデアを迅速に試すことができる。
調査の結果、次の点が明らかになった。
- 経営幹部の大半が継続的なイノベーション創出の重要性を理解しており、95%が「イノベーションは競争力と企業の存続に不可欠である」と回答
- 誰もが活躍できる「平等の文化」を持つ企業は、そうでない企業に比べて、社員の「イノベーション・マインドセット」が約6倍優れている
- イノベーションの推進について、経営層と社員の間に重大な認識の違いがある
- “ダイバーシティ”と”平等の文化”の両方を備えた企業におけるイノベーション・マインドセットは、そうでない企業の11倍
- あらゆる国でイノベーション・マインドセットを10%高めれば、全世界のGDPは今後10年で最大8兆ドル増大するとの試算
“平等の文化”がある企業に勤める社員は、イノベーション・マインドセットが高い
イノベーション・マインドセットを引き出すには、業界、国、社員の属性といった要素以上に、平等の文化が重要だという。
本調査では、性別、性自認、年齢、人種を問わず、より平等な職場環境に置かれた社員の方がより優れたイノベーション・マインドセットを持っていることがわかった。
調査では、“平等の文化”を、「経営層によるコミットメント」「活躍を促す組織の仕組み」「自発的に働きやすい環境」が揃った企業文化と定義している。
これは、2018年版の調査で特定された、男女のキャリア平等と賃金格差解消に貢献する要素だ。
このうち、社員のイノベーション・マインドセットを高めるためには、「自発的に働きやすい環境」を整備することが最も重要であることが明らかになった。自発的に働きやすい環境に置かれていると答える社員が多いほど、イノベーション・マインドセットのスコアが高くなる。
たとえば、グローバル全体で、平等の文化のある企業に勤める社員は、「イノベーションを阻む要因は何もない」と回答する確率が、40%となった。そうでない社員では7%。6倍近くの差が出ている。
経営層と社員の間に、重大な認識の違い
本調査では、イノベーションの推進について、経営層と社員の間に重大な認識の違いがあることも明らかになっている。
たとえば、全世界の経営幹部の76%が「社員の能力を高める策を講じ、イノベーション創出を促している」と回答。一方、社員でその点に同意している回答者はわずか42%だ。
経営層は、「社員がイノベーション創出のモチベーションにしているのは、目的意識より金銭的報酬だ」と考えがちだ。アクセンチュアでは、この点を認識の違いの一因として示している。
平等の文化のある企業において、イノベーション・マインドセットを支えるのは、適切な研修機会や柔軟な勤務形態・ワークライフバランスの尊重といった「自発的に働きやすい環境」に関連する要素だという。
ダイバーシティは重要な構成要素
同社によると、ダイバーシティは、イノベーション・マインドセットに大きく影響するという。
ダイバーシティには、経営陣が多様性に富んでいること、社員の男女比のバランスがとれていることなどが含まれている。
同時に、イノベーションを最大限に創出するには、平等の文化が必要だ。
調査では、グローバル全体で、”ダイバーシティ”と”平等の文化”の両方を備えた企業におけるイノベーション・マインドセットは、そうでない企業の11倍、優れることがわかっている
多大な経済効果
本調査では、イノベーション・マインドセットは、成長著しい経済圏や、労働生産性の成長率が高い国々でより顕著であることがわかった。
同社によると、優れたイノベーション・マインドセットを持つ人材によって生まれるビジネス機会は、膨大だという。
アクセンチュアの試算では、あらゆる国でイノベーション・マインドセットを10%高めれば、全世界のGDPは今後10年で最大8兆ドル増大すると見込まれている。
<出典元>
アクセンチュア最新調査――イノベーション創出には「平等の文化」がカギ
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