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日本マイクロソフトは、2019年3月6日、マイクロソフトとIDC Asia/Pacificが共同で実施したAIに関する調査(※)「Future Ready Business: AIによるビジネスの可能性について」の結果を発表した。
同調査によると、日本においてAIの取り組みを開始した企業は約33%であることが明らかになったという。
(※)調査概要
- 調査対象
1,605人のビジネスリーダーと1,585人の従業員を対象。日本ではそれぞれ150名、152名が回答。 - 調査対象地域
アジア太平洋地域の 15 ヵ国・市場:オーストラリア、中国、香港、インドネシア、インド、日本、韓国、マレーシア、ニュージーランド、フィリピン、シンガポール、スリランカ、台湾、タイ、ベトナム。 - 調査対象業種
農業、自動車、教育、金融、政府、ヘルスケア、製造、小売、サービス、通信/メディア。
日本において、AIの取り組みを開始した企業はわずか33%
イノベーション推進と従業員の生産性向上におけるAIへの期待値(現在および3年後)
調査対象のビジネスリーダーの約4分の3が、自社の競争力強化にとってAIが重要であると述べる一方で、AIに関する取り組みを開始した日本企業はわずか33%。AIを採用した企業は、2021年までに自社の競争力を2.5倍に向上できると期待しているという。
また、企業におけるAI採用理由の上位5つは、以下のとおり。
- 競争力の強化(回答者の 22%が最も重要な要因と回答、以下同様)
- イノベーションの加速(18%)
- 従業員の生産性向上(18%)
- 顧客エンゲージメントの向上(14%)
- 利益率の向上(14%)
2021年までに、ビジネスリーダーは、AIがイノベーションと従業員の生産性の向上を2倍以上に加速すると期待
AI 活用によるビジネス改善効果の期待(現在および3年後)
IDC Japanの眞鍋敬 氏(ソフトウェア&セキュリティ/ITスペンディング グループディレクター)は、次のように述べているという。
「現在、企業はAIを導入することによって、11~14%のビジネス改善を期待しています。さらに3年後には少なくとも2.1倍の向上を期待しており、AI導入によるビジネス改善の効果はイノベーションの加速、利益率の向上、従業員の生産性向上の分野で最も高い向上が期待できると予測しています。」
AI活用の成功の鍵は、「従業員のスキル」、「ツール」および「組織文化」の3つ
日本の組織が直面するAI導入の課題
同調査結果から、従業員のスキル、ツールおよび組織文化がAI活用を成功させる鍵であることが明確になったという。
眞鍋氏は次のように述べているとのことだ。
「企業のリーダーは、AIを自社のコア戦略とし、組織文化を育成する必要があります。AIは短期に効果を感じられなくても、長期的視点から継続的な投資を行っていくべきです。さらに、AI活用のための開発、展開、管理のための人材育成、および適切なガバナンスを備えた堅牢なデータインフラストラクチャの構築が喫緊に求められます。」
また同社は、AIを採用しているビジネスリーダーが直面する最も重要な3つの課題は以下であるとの見解を示した。
- 従業員のAIに関するスキルや人材育成プログラム
- AIを活用するための分析ツールやインフラストラクチャー
- AIを十分に活用出来る組織文化
調査対象となったビジネスリーダーと従業員の多くが、リスクの許容、積極的イノベーション、組織境界を越えた協業といった要素が現時点では十分でないとしている。
同社は、ビジネスリーダーはイノベーションと継続的学習が組織の中核となる新たな文化を取り入れていく必要があるとの見解を示した。これにより、俊敏性、適合性、そして、成長への礎を築くことが可能になるという。
<参照元>
AI によるイノベーションと生産性向上が2021年までに2倍以上に加速
Microsoft