2019年3月8日、第一交通産業と富士通は、地域の公共交通活性化を実現すべく、新しいモビリティサービスの提供に向けて協業することを発表した。
その第一弾として、過疎化が進む自治体や公共交通手段の確保が難しい地域で第一交通が提供する乗合タクシーに、富士通のクラウドサービス「FUJITSU Mobility Solution SPATIOWL オンデマンド交通サービス(以下「オンデマンド交通サービス」)」を適用したオンデマンド型乗合タクシーを2019年3月から開始する。
オンデマンド交通サービスは、移動サービス提供者に必要な予約受付、運行管理などの業務を支援する機能をクラウドで一貫して提供するマッチングモビリティサービスだ。
自治体や公共交通事業者、あるいはサービス提供事業者を対象とし、送迎可能な車両の現在位置と、移動を希望する利用者ごとの目的地・希望時間をプラットフォーム上で自動的にマッチングさせ、利用者に効率的で安価な移動手段を提供できるようになっている。
オンデマンド型乗合タクシーの予約画面イメージ
本サービスでは、第一交通、富士通両者の役割を以下に定めている。
- 第一交通
- 本サービスを適用した乗合タクシーの導入計画を検討、各自治体の課題やニーズにあった地域密着型サービスにより住民の移動手段獲得を支援する。
- 利用者のニーズやデータを活用し、乗合タクシーを一般タクシーや鉄道、路線バスなどほかの交通機関と連携させ、予約や乗り継ぎ案内、決済をワンストップ化するサービスなど、新しいモビリティサービスの発展を検討する。
- 乗合タクシーを運営する第一交通に、利用者向けスマートフォン・タブレット予約機能、最適車両の自動マッチング機能、運行実績の自動集計レポーティング機能などを備えた「オンデマンド交通サービス」を提供する。
- 「オンデマンド交通サービス」を、第一交通が目指す地域公共交通活性化に貢献する新しいモビリティサービスへ発展させるためのサービスロードマップを検討する。
第一交通と富士通は今後、第一交通が乗合タクシー事業を展開する全国46市町村144路線へオンデマンド型乗合タクシーの提供を拡大する予定だ。
加えて、国土交通省総合政策局が「地域公共交通確保維持改善事業」の2020年度目標として掲げている700市町村へのオンデマンド交通導入に寄与していくということだ。
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