中小企業経営者の8割以上が近年の好況感の継続を実感―「2019年 中小企業の経営施策」より

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学校法人産業能率大学は、中小企業の経営者を対象に経営環境認識や経営方針・施策などを尋ねる調査を実施、2019年2月6日にその結果を発表した。

この調査は、2011年から毎年発表しており今回で9回目となる。調査はインターネット調査会社を通じて実施し、従業員数6人以上300人以下の企業経営者(経営トップ)588人から回答を得た。

それによると、2019年の業績見通しについては、8割は2018年と“同様以上”で近年の好況感を継続していることがわかった。

依然として8割以上の経営者が近年の好況感を継続

まず、2019年の業績見通しについては、昨年に比べて“上回る”(「大幅に上回る見込み」+「やや上回る見込み」)とする回答が3.4ポイント減少した。

しかし、「大幅に上回る見込み」「やや上回る見込み」「同様となる見込み」とする回答をあわせると82.6%に上った。

依然として8割以上の経営者は近年の好況感を継続し、昨年と“同様以上”の業績を維持できるという見通しを立てているという。

続いて、業績見通しを業種別にみると、業績が“上回る”(「大幅に上回る見込み」+「やや上回る見込み」)と回答した割合は<電気・ガス・熱供給・水道業>83.3%、<情報通信業>48.8%、<金融・保険業>75.0%、<不動産業>48.2%で他の業種と比べて高い数値となった。

一方、業績が“下回る”(「やや下回る見込み」+「大幅に下回る見込み」)と回答したのは、<建設業>22.9%、<卸売・小売業>23.8%、<飲食店・宿泊業>29.4%が他業種に比べ高い割合となった。

企業には人材を確保しビジネス拡大への積極的な姿勢が

そして、経営者として2019年にもっとも取り組みたいことは「従業員の新規採用」(13.4%)が最多だった。次いで「利益率の向上」(12.8%)、「国内の販路拡大」(12.6%)、「営業力の強化」(8.0%)、「新規事業への進出」(7.3%)と続いた。

産業能率大学では、人材を確保し、販路拡大・営業力強化・新規事業進出によって利益を生み出そうとする積極的な姿勢がみえるとしている。

前回の調査結果と比較すると、前述の上位5項目はいずれも数値が上昇している。特に「従業員の新規採用」(13.4%)については、昨年調査時から2.7ポイント増加し、過去最高となった。ここ数年の好況感を受けて、採用や業績・事業拡大の面では昨年よりも“攻める”傾向にあるという。


また、副業制度を導入している(導入を検討する)企業と、副業制度を導入していない企業にその理由を尋ねたところ、副業制度を導入している(導入を検討する)理由は「従業員の副収入獲得(給与の補填)のため」(56.5%)、副業制度を導入していない理由は「本業に専念してほしいから」(68.1%)がそれぞれ最多となった。

2018年に成立した「働き方改革関連法案」により、2019年4月から、10日以上の年次有給休暇が付与される全ての労働者に対して毎年5日間の年次有給休暇の取得が義務付けられることになった。

最後に、そうした中で、経営者に有給休暇取得義務化への対応状況について尋ねたところ、過半数となる53.6%が「まだ対応できていない」と回答したという。

<参照元>
2019年 中小企業の経営施策」発表
産業能率大学

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