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ファイナンシャルアカデミーは、定年後のキャリア形成について、その実態を把握するため「定年後のキャリアに関する意識調査」を実施した。
調査結果は以下の5点にまとめられる。
- 定年後「給与が下がっても働きたい」が約7割。理由は「生活のため」「生きがい」
- 定年後のお金対策が「十分できている」人はわずか3%
- 定年後のキャリア対策を「十分できている」人はわずか1%
- 対策できていない理由は「目の前の仕事で精一杯だから」
- 対策できている人が行っているのは「スキル向上」と「情報収集」
各調査項目の詳細は以下のとおりとなっている。
定年後「給与が下がっても働きたい」に約7割
「定年後も働きたいですか?」という質問に対し、全体の約7割の人が「給料が下がっても働きたい」と回答した。その理由として、「老後資金の確保のため」、「生きがいだから」、「社会とのつながりを持ちたい」といった回答が多く得られた。
このことから、働きたいという意向の裏には、大きく分けて「必要に迫られて」と「生きる上でのモチベーションを維持」という異なる2つの気持ちが存在することが明らかとなった。
定年後のお金対策が「十分できている」はわずか3%
定年後の「お金」の対策については、全体のわずか3%の人しか「十分できている」と回答しなかった。対策を「全くできていない」「あまりできていない」と回答した人にその理由をたずねると、「目の前の仕事で精一杯だから」という声が最も多く、現業に忙殺されて定年後のことを考える余裕がないという人が多数派であることがわかった。
定年後のキャリア対策が「十分できている」人はわずか1%
定年後の「キャリア」対策について「十分できている」と回答した人は全体のわずか1%だった。「定年後も働きたい」と思っている人が多数であるにも関わらず、そのための準備をできている人はごく少数であるという実態が浮き彫りとなった。定年後も働きたいという意向とその行動の間には大きなギャップがあることがわかった。
対策している人は「スキル向上」「情報収集」を行っている
定年後のキャリア対策について「十分できている」「まあできている」と回答した人に対し、どのような対策を行っているかたずねたところ、「現在持っているスキルを上げる」「情報収集」が上位の回答となった。
定年後にやりたいことを明確にしたうえで、「資格の取得」や「学校等で専門的な知識を学ぶ」、「習い事をする」といった具体的な行動に移している人はまだ少数派であるといえそうだ。
定年後のキャリア形成をふまえた学びは「今から」
今回の調査では、低金利時代の継続や年金制度の崩壊や、その環境下における住宅ローン、子どもの学費といった金銭面の課題を抱えるなかで「定年後給料が下がっても働きたい」という人が実に7割にのぼった。その数字が示す通り、老後を楽観視できないという人が多数派を占めた。
その反面、今目の前にある仕事に追われ、定年後のことをゆっくりと考える時間が取れず、そのため漠然とした老後不安を抱えていることも明らかとなった。
これからの人生100年時代、生涯現役社会を生き抜くために「そのうち」ではなく「今から」定年後のキャリア形成に向けた学びや対策、あるいは定年前の活動である「定活」を始められるかどうかが定年後の人生の分かれ目となることが予想される。
<参照元>
「定年後のキャリアに関する意識調査」
financial academy