アジア向けのリサーチ事業を展開するDI Asiaと海外向けPR事業を展開するカーツメディアワークスは、ベトナム、タイ、インドネシアのアジア3カ国および日本における「働き方」をテーマにした調査を共同で実施、2019年2月22日にその結果を発表した。

その結果、「仕事」にもっとも時間を割いている人が多いのはインドネシアで、日本は他のアジアよりも「趣味」に時間を割く人が多いことがわかった。

仕事を最重要視するのはインドネシア。家族重視はベトナム

この調査は、会社に勤務している20代〜40代の男女500名を対象としている。

まず、普段生活している中で、もっとも時間を割いていることを聞いてみたところ、「仕事」ともっとも多く答えたのは「インドネシア」(75%)だった。

一方、「家族」をもっとも重視していたのはベトナム(48%)で、タイや日本とほぼ真逆な結果となったという。

「仕事」を重視しがちな印象の日本は、意外にも「仕事」と答えた人は46%と半数を割っていたという。代わりに特徴的だったのは、「趣味」に時間を割いている人が多かった(20%)ことだ。

ちなみに他国では、タイ(6%)、ベトナム(9%)、インドネシア(5%)と1ケタ台だった。両社では、聞く機会の増えた「ワークライフバランス」の考え方は、日本でも徐々に浸透してきているのかもしれないと推測している。

次に、「働き方改革」で大きなトピックスとなっている「残業」についても質問してみた。その結果、残業する理由として、「残業代を稼ぎたかったから」と答えた割合が多いのは「ベトナム」(30%)と「タイ」(27%)だった。

一方、「インドネシア」の第1位は「上司からの依頼」(25%)、日本では「自分の仕事が終わらないから」という理由が37%で圧倒的な第1位となったという。

両社では、このように見ると、インドネシアと日本では、仕事に関して責任感を感じている人が多いようだと分析している。

また、「一緒に働く人の仕事を手伝いたいと思ったから」という理由をあげた「同僚思い」の割合は、1位がインドネシア(24%)、2位がタイ(15%)、3位がベトナム(10%)、4位が日本(4%)という結果となった。

DI Asiaとカーツメディアワークスは、日本は他国に比べて、同僚をサポートするための残業はしない傾向にあると分析している。

「出世意欲」のない日本

また、仕事への意欲について、「出世したい」か、それとも「今のままでいい」かという2択形式で質問したところ、ベトナム(84%)・タイ(82%)・インドネシア(70%)はいずれも7割以上の人が「出世したい」と回答した。

それに対して日本は「今(現状)のままで良い」と答えた人が63%と、非常に高い割合で「出世意欲」がないことがわかったという。

また、「仲間と仕事をしたい」か、それとも「一人で黙々と仕事をしたい」か、との質問に対しては、「仲間と仕事したい」派はアジア3カ国ではほぼ80%以上なのに対し、日本は「一人でモクモクと仕事したい」と答えた人が56%と半数を上回った結果となった。

そして、「新しい仕事」に挑戦したいか、それとも「ルーティーンワーク」を淡々とこなしたいか、という質問では、アジア3カ国は70%以上の人が「新しい仕事に挑戦したい」と答えたのに対して、日本では「新しい仕事に挑戦したい」人は43%にとどまり、「ルーティーンワークを淡々と続けたい」と答えた人が57%と半数を上回った結果になった。

<参照元>
日本人の出世欲、低すぎ?6割以上が「出世より現状のままでいい」と回答〜ベトナム・タイ・インドネシア・日本 4カ国の「働き方」を調査〜
カーツメディアワークス