アディッシュは、2018年12月14日~12月21日に、自社でSNSを運用している企業勤務者を対象に「SNSビジネス活用とソーシャルリスク・炎上対策の実態」に関するインターネット調査を実施、2019年2月20日に1051名の回答を公開した。
この調査は、利用しているSNSの種類や数、社内体制やソーシャルリスクに対する向き合い方などを調査しまとめたもの。
それによると、業界問わず、SNSを運用する企業のほとんどが何らかのソーシャルリスク対策を実施していることがわかった。
SNSをビジネスで活用する企業のほとんどが対策の必要性を認識
まず、ソーシャルリスク対策状況については、具体的な対策は、全体で約4割の企業がソーシャルメディアのガイドライン策定と研修を実施していることがわかったという。また、ソーシャルリスク対策について「未実施。今後も実施なし」とする回答は5.2%で、SNSをビジネスで活用する企業のほとんどが対策の必要性を認識しているとしている。
また、従業員数別のソーシャルリス対策状況としては、有効回答者数986名(SNSを運用していないと回答した数を除く)の約6割にあたる100人以上の企業では、1位と2位は「ガイドライン策定」もしくは研修、3位がマニュアル作成であった。これは他の従業員規模の企業でも概ね同じ傾向だという。
一方で有効回答者数の約4割にあたる100人未満の企業では、1位が「未実施で今後検討」(27.5%)、2位が「研修」(19.1%)、3位が「自社で不定期チェック」(18.3%)、次いで「対応方針は不明」(13.6%)と、100人以上の企業と比べて対策の内容とその割合が大きく異なっているようだ。
3社のうち2社がソーシャルリスク対策の費用を確保
次に、業種別のソーシャルリスク対策予算については、全体を見ると、対策にかける毎月の予算についてもっとも多かった回答は、「かける予算がない」(23.3%)だった。
一方で「予算がある」とした回答を合計すると66.4%となり、3社のうち2社ではソーシャルリスク対策の費用を確保していることがわかったという。
業種別にみると、製造業と金融業は「予算なし」の割合が極端に少なく(製造業9.7%、金融業6.1%)予算を割いている割合が大きい傾向が読み取れるという。
特に金融業では、全体の4.0%である「100万円以上」とする回答が、12.1%あるのも着目すべき点だとしている。金融を営利目的とする事業の性質上、ソーシャルリスクを強く意識する業界の姿勢が垣間見られるとしている。
予算がある場合に限定して従業員数別にみると、100人未満の企業で多いのは「10万円未満」だが、それ以外の規模では「10~30万円未満」との回答数が多く、ソーシャルリスク対策の現実的な予算がこの範囲と考えられるという。
「30~50万未満」、「50~100万円未満」、「100万円以上」と回答する割合は従業員数に比例して増え、10,000人以上の企業では合計で53.5%に及ぶという。リスク対策が企業課題として捉えられている様子が見受けられるとしている。
懸念しているソーシャルリスクは「お客様からのクレーム」
そして、懸念しているソーシャルリスクについて、もっとも多かった回答は「お客様からのご指摘・クレーム」(59.3%)、続いて「従業員の不適切投稿」(47.6%)だった。「風評被害」「商品・サービスの不具合に関する投稿」「情報漏えい」も軒並み40%以上の回答を得ており、ほぼ横並びと言えるという。
反対に「特に懸念していない」という回答は9.0%と少なく、ほとんどの企業が危機意識を持って取り組んでいることがうかがえるという。
従業員数別でみると10,000人以上の企業では「情報漏えい」(70.7%)が「お客様からのご指摘・クレーム」(68.5%)を上回り、全体の傾向と比較してもかなり強く意識されていることがわかるという。
全体の回答では目立たなかった「業界全体への批判」も1,000人以上10,000人未満の企業では20.2%、10,000人以上の企業では35.9%という結果になった。
<参照元>
「アディッシュがSNSの企業活用とソーシャルリスク対策の実態調査を実施、企業勤務者1051名の回答結果を公開」
アディッシュ