【2019年の実質昇給率予測】世界平均は1.3%、2年連続で下降する見込みに

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コーン・フェリーは2019年2月8日、2019年の世界各国の報酬動向調査結果を発表した。

それによると、2019年の実質昇給率(昇給率予測からインフレ率を調整した数字)の世界平均は1.3%の予測だという。これは、2018年の1.5%、2017年の2.3%予測と比較し下降する見込みだという。

日本の2019年実質昇給率は0.1%に落ち込む見込み

この発表から各地域、各国の報酬動向をみると、アジアの平均昇給率は、2018年の5.4%から5.6%と上昇が予測されているという。

インフレ調整後の実質昇給率は2.6%。(2018年の2.8%よりやや減少)中国は、昨年の実質昇給率予測が4.2%だったのに対し、2019年は3.2%と下降予測である。

日本の2019年実質昇給率はインフレ率の上昇(0.4%→1.9%)の影響で、2018年の1.6%から0.1%に落ち込む見込みだという。

また、同地域では、2018年より実質昇給率が増加する国が見られるという。(ベトナムは2018年の4.6%から4.8%にアップ、シンガポールは昨年の2.3%から3.0%にアップ)

アメリカでは、平均3%の昇給が予測されており、これは2018年・2017年と同じである。2019年に予想される2.4%のインフレ率調整後の実質昇給率は0.6%で、2018年の1.0%より低下するという。カナダの昇給率は2.6%で、実質昇給率は0.6%の見込みだとしている。

東ヨーロッパでは、2019年の平均昇給率は6.6%の上昇を見込んでいる。インフレを考慮した実質昇給率は2.0%と、2018年の1.4%より上昇が見込まれるという。西ヨーロッパの平均昇給率は2.5%、インフレ調整後の実質昇給率は0.7%と予想している(2018年の実質昇給率0.9%よりダウン)

一方、イギリスは2.5%の昇給見込で、インフレ率1.9%調整後の実質昇給率は0.6%で、ブレグジットで揺れた昨年のマイナス0.5%より上昇の見込みだという。ヨーロッパの大国であるフランスとドイツの実質昇給率はそれぞれ0.5%/1.0%と予想している

太平洋地域は最も低い実質昇給率に

中東地域の平均昇給率は2018年度の3.8%に対し、3.6%と見込んでいる。インフレ調整後の実質昇給率は、2018年の0.9%、2017年の2.5%に対して、0.4%と予測している。アラブ首長国連邦は、3.2%のインフレ率に対して3.9%の昇給率で、実質昇給率は0.7%で2018年のマイナス0.5%より改善するという。

カタールとレバノンの実質昇給率は下落予想で、カタールの予測はマイナス0.5%、レバノンはマイナス1.7%だという。レバノンは、2018年の1.8%2017年の6.1%から落ち込みが続くことになると予想している。

アフリカでは、平均昇給率が7.7%となるにも関わらず、高インフレの影響で実質昇給率は0.9%にとどまるという。エジプトでは、昇給率は15%だが、インフレ率(14.4%)の反映で、実質昇給率は0.6%となる。(昨年実質昇給率はマイナス3.8%)

一方、中南米地域の平均昇給率は4.7%上昇と予測している。インフレ率を加味した実質昇給率は1.3%予測で、2018年の2.1%を下回る見込みだという。コロンビアは、2019年のインフレ率は2.9%予測で、昇給率5.0%、実質昇給率は2.1%の見込だという。ブラジルは、昇給率4.2%、インフレ率4.3%で実質昇給率はマイナス0.1%と見込んでいる。

オーストラリア/ニュージーランド地区の昇給率は2.5%と予想しており、インフレ調整後の実質昇給率は0.3%だという。オーストラリアは、2.5%の昇給率、2.3%のインフレ率により実質昇給率は0.2%を見込んでいる。ニュージーランドでは、2.5%の昇給率が予測され、2.2%のインフレ率予測より実質昇給率は0.3%だとしている。

<参照元>
「コーン・フェリー「2019年度 世界の報酬動向」調査結果を発表 ~2019年の実質昇給率の世界平均は1.3%に下降予測(2018年は1.5%)~」
KORN FERRY

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