カーシェアリングの会員数が150万人を突破。日本は世界二位のカーシェアリング先進国に

カーシェアの情報比較サイト「カーシェアリング比較360°」では、カーシェアリング市場を独自に集計したデータをもとに、2018年における主要6社のカーシェアリング市場動向をまとめた。

ここでは、そのなかでも以下3つのトピックについて紹介する。

成長を続けるカーシェア市場。ステーション数は前年比14.2%増、車両台数は19.0%増。

2018年のカーシェア市場では、ステーション数・車両台数が増加し、前年同様に成長を継続。ステーション数では前年比14.2%、車両台数では19.0%の増加し順調に拡大を続けている状態だ。

急激なインフラ拡大期を経て、2013年以降のカーシェアリング市場は安定成長期に入った。

各カーシェアリング会社が、ニーズが高く見込まれるエリアでドミナント方式によるステーション開設、ステーション当たりの車両増設をすすめているなか、2018年はタイムズカープラス(以下、タイムズ)がステーション数伸び率12.5%、車両台数伸び率17.7%と前年同様のインフラ拡張を継続。

また2017年4月づけで三井不動産リアルティに吸収合併されたカレコ・カーシェアリングクラブ(以下、カレコ)については、加速度的に事業を拡げ、ステーション数伸び率34.3%、車両台数伸び率42.5%と大幅な伸びを記録した。

さらにオリックスカーシェア(以下、オリックス)もステーション数6.4%、車両台数伸び率6.7%と前年同様の伸長率で増加。2018年は業界トップの三事業社ともに、インフラ拡大傾向がみられた一年だった。

タイムズが2020年までに車両台数30,000台を目指す一方、2017年に関西初進出を果たしたカレコが都内でも積極的にステーション数・車両台数を増加しているため、カーシェアリング比較360°では2020年に向け今後も市場の成長が続くと想定している。

タイムズカープラスの会員数が100万人を突破。カーシェア利用者全体では150万人に。

ステーション数・車両台数ともに業界トップのタイムズでは、2018年7月に会員数が100万人を突破。会員数の増加は継続しており、カーシェアリング比較360°は2018年中に110万人を突破しているものと推測している。

一方、オリックスの会員数は2017年3月から2万人増加し2018年3月時点で会員数が約19万人に到達。

また会員数においては業界3位となっているカレコも多様な車種導入、「スマートで楽しいライフスタイル提案」といった独自路線によって、カーシェアリング比較360°では、2018年3月時点で会員数が7万3千人、2018年中に8万人に達したものと予測している。

その結果、大手三社だけで会員数が137万人を突破。名鉄協商のカリテコとアースカーを含めた主要5社でみると、カーシェアリング比較360°は全会員数が140万人を突破していると想定している。(交通エコロジー・モビリティ財団の発表では、2018年3月時点でのカーシェアリング会員数は業界全体で1,320,794人とのこと。)

日本の人口に占めるカーシェアリングの会員数の割合は、2017年3月の0.85%から1.18%へ上昇。

カーシェアリングでは後進国だった日本は、カーシェアリング先進国のスイス(1.31%、2012年時点)に迫り、いまや世界第二位のカーシェアリング普及国となっている。(※注)

カーシェアリング比較360°は、タイムズ・オリックス・カレコの3強体制が2019年も継続し、この三社を中心としてカーシェアリングの会員数も拡大を続けると推測している。

※参考:交通エコロジー・モビリティ財団「わが国のカーシェアリング車両台数と会員数の推移」

ステーション数と車両台数では、カレコ・カーシェアリングクラブがオリックスカーシェアを抜いて業界2位に

カレコのステーション数は2018年3月に1,663箇所となり、ステーション数ではオリックス(1,654箇所)を抜いた。

また同じ3月には車両台数でもカレコ(2,793台)はオリックス(2,703台)を抜き、カレコがオリックスを抜いて業界2位となった。

カレコはステーション数・車両台数ともに順調に伸長を続けており、2018年12月時点ではステーション数が2,022箇所、車両台数が3,471台で、同じ時点でステーション数1,737箇所、車両台数2,884台のオリックスを大きく引き離している。

しかしながら会員数でみると、2018年3月に193,182人だってオリックスに対し、カレコは73,592人と10万人以上の大差がついており、会員数も考慮した実質的な業界2位というわけではない。

カーシェアリング比較360°は、業界のパイオニアであるオリックスは、カレコにとってまだまだ追いかけていかなくてはならない存在であるとはなしている。

ただカーシェアリング比較360°では、オリックスも安心できるわけではないと推測。

オリックスが業界に先駆け実施した月会費無料プランを、カレコが2018年に導入したためだ。

月会費無料プランに加え、ステーション数・車両台数の増加が継続すれば、カレコの利便性が向上し、それに比例して利用者の増加が見込まれるため、カーシェアリング比較360°はそう遠くない将来に会員数でもカレコが逆転すると推測している。

カレコは2019年中に会員数を16万人にまで増やす予定とのことだ。

img:カーシェアリング比較360°

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