パーソル総合研究所は、副業に関する個人や企業の実態把握を行い、企業がとるべきアクションを明らかにすることを目的とし、自主調査として「副業の実態・意識調査」を実施、2019年2月12日に調査結果である個人編・企業編のうち、個人編を発表した。
その結果、正社員で現在副業している人は10.9%。現在、副業を行っていないが、今後副業したい人は41.0%もいたという。
副業者は今後さらに増加していく可能性あり
個人編の調査は、勤務先企業規模従業員10人以上の企業の正社員20-59歳 男女13,958人を対象に行われた。
まず、正社員で現在副業している人は10.9%。現在、副業を行っていないが、今後副業したい人は41.0%だった。
現在の副業者は1割程度にとどまるが、パーソル総合研究所では今後さらに増加していく可能性が示唆されるとみているという。
また、副業開始のタイミングは1年以内が41.3%で、そのうち6カ月~1年前からが21.9%と最多だった。同社では、これについて2018年1月の厚生労働省の動き(「モデル就業規則」の改定や「副業・兼業の促進に関するガイドライン」)や副業関連のニュースなどにより、この1年間、副業が加速したと考えられるとしている。
非副業者を年代・性別にみると、すべての年代で女性の意欲の方が高く、若いほど副業意向が高いことがわかる。
副業者の割合が高い職種別ランキングは、1位「経営・経営企画」(21.2%)、2位「人事・教育」(18.1%)、3位「法務」(15.1%)と、間接部門が上位だった。
副業による平均月収は6.82万円、平均時給は1652.1円
1週間あたりの副業にかける時間は平均10.32時間だった。本業と併せた1週間の総労働時間が70時間を超える層も1割程度おり、長時間労働に注意が必要だという。1週間あたり70時間を週5日勤務に換算すると、1日14時間労働となる。同社では、過重労働とならないよう、副業者自らセルフマネジメントを行うことが必須だと提言している。
また、副業のデメリットとして、過重労働となり体調を崩した(13.5%)、過重労働となり本業に支障をきたした(13.0%)などが挙げられている。
そして、副業による本業への影響として、会社へのロイヤリティや本業のパフォーマンスは「高まった」が「低下した」を上回るという。
本業のモチベーション向上は23.1%。本業の仕事のやり方についても、「既存のやり方にこだわらず、よいと思ったやり方で仕事をするようになった」が43.5%など、プラスの効果がみられるという。
ロイヤリティやパフォーマンスの低下などは、副業解禁に対する企業の懸念事項として挙がるが、個人の意識をみると、全体としてはむしろプラスの効果があることが明らかとなったとみている。
副業による平均月収は6.82万円、副業による平均時給は1652.1円だった。厚生労働省の毎月勤労統計調査2018年11月確報より一般労働者(常用労働者のうちパートタイム労働者除く)の所定外労働の平均時給を算出したところ、時給は1906円となった。
同社では、参考数値ではあるが、時給でみると本業で得る残業代よりも、副業の方が安いと推察している。
最後に、副業の目的のトップは収入補填で、他属性と比べて、20~30代男性は自己実現の目的が高いとしている。
<参照元>
「パーソル総合研究所、副業実態・意識調査結果【個人編】を公表 加速する副業。正社員の 10.9%が副業実施中、1年以内の開始 41.3%」
パーソル総合研究所