インバウンド需要を取り込み好調な化粧品市場。2018年は2兆2,294億円に拡大

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富士経済は、薬用成分など機能性への期待感から市場が拡大を続けている機能性化粧品国内市場を調査した。そして、2019年2月12日にその結果を「機能性化粧品マーケティング要覧 2018-2019」にまとめ、発表した。

今回の調査では、スキンケア(5機能)、ベースメイク(6機能)、ボディケア(5機能)、ヘアケア(5機能)において何らかの機能を訴求するものを“機能性化粧品”と定義し、カテゴリー別機能動向と注目商品動向を分析。

2018年の化粧品市場はインバウンド需要がけん引し2兆2,294億円に

化粧品市場は、訪日外国人観光客の増加を背景にインバウンド需要を取り込み、近年拡大している。これに伴い機能性化粧品市場も伸長を続けており、2017年はポーラ、資生堂がシワ改善効果のある有効成分を配合したスペシャルケアを投入したことにより、中高年層だけでなく、美意識の高い若年層開拓にもつながったことでスキン
ケア市場が大幅に拡大するなど、各市場が好調だったという。

富士経済では、バウンド需要を取り込んでいるほか、コーセーがシワ改善効果を訴求した商品を投入したことで薬用化粧品の効果への期待がさらに高まり、アンチエイジングや抗老化美白などの機能への需要増加を背景に、機能性化粧品市場は拡大を見込んでいるという。

その結果、2018年の化粧品市場は2兆2,294億円(2017年は2兆1,118億円)と予測している。

アンチエイジング市場は、アンチエイジング意識の高まりを背景に加齢に伴う肌や頭皮、髪のケアなど細分化する悩みに対応した商品の投入が相次ぎ、近年市場は拡大しているという。

スキンケアは各社よりシワ改善効果のある有効成分を配合したスペシャルケアが投入され、大幅に伸長している。また、ヘアケアでは70代以上をターゲットとした新商品が発売されるなどテコ入れが行われており、男性用育毛剤の通販ブランドが急成長するなど市場は活性化している。

アンチエイジングは高齢化が進行する日本社会において長期的な市場拡大が期待されるという。その結果、アンチエイジング市場は前年比7.6%増の7,895億円、アンチエイジング機能スキンケア市場は同9.4%増の6,092億円を見込んでいる。

ホワイトニング市場は、ホワイトニングは特にアジア人観光客に人気が高く、化粧品が免税対象となった2014年以降、インバウンド需要を取り込み成長が続いているという。

2017年は資生堂がシワ改善と美白の有効成分をダブル配合した商品を発売したことや、オールインワンゲルやBB・CCを主力とする通販ブランドが主力商品に美白有効成分を配合するなどのリニューアルを行ったことから市場は大幅に拡大したという。

2018年は夏場の気温が高かったことからホワイトニング意識が高まり、美白美容液が好調だったことと、制度品系最高級ブランドが前年を上回るインバウンド需要を取り込んでいることから、市場は大幅な伸長を見込んでいる。

この結果、ホワイトニング市場は前年比6.4%増の3,037億円、スキンケアは同6.5%増の2,560億円を見込んでいる。

敏感肌市場については、敏感肌訴求の商品は安定したリピートユーザーに支えられており、愛用者の高齢化を背景にホワイトニングやアンチエイジングといった機能性ラインの強化が進められているという。それに伴い、敏感肌以外の層からも需要を取り込んでいる。

近年、肌荒れに対するケア効果のある成分を配合したベースメイクアイテムが新たな需要開拓につながっており、市場は大幅な拡大が続いているという。

この結果、敏感肌市場は前年比6.6%増の1,013億円、敏感肌スキンケア市場は同5.9%増の738億円をみこんでいる。

注目はオールインワンスキンケアとクッションファンデーション市場

また、富士経済では、注目商品の動向として、オールインワンスキンケア市場を挙げている。オールインワンスキンケアは化粧水、乳液、美容液など複数のスキンケア機能をもつことを訴求したアイテムを対象とする。

同市場は、2013年以降、セルフルートで展開するオールインワンゲルの商品数の増加や、シートパックや化粧水といったカテゴリーにおいてもオールインワン機能を訴求する商品が投入されるなど市場拡大が続いているという。

2018年は“時短”を訴求したシートパックの実績が拡大するなど市場は大幅な伸長を見込んでいる。これにより、同市場は10.3%増の1,072億円を予想している。

また、クッションファンデーション市場も注目されるという。クッションファンデーションはコンパクトの中のスポンジやスティックの中に液状のファンデーションを含ませ、パフやスポンジ部分を肌に直接載せるようにして使用する商品を対象とする。

クッションファンデーションはBB・CCと同様に韓国におけるブームを受け、日本においても外出時に手を汚さずにリキッドファンデーションを使えるという利便性の高さからメイクへの意識が高い層を中心に需要を獲得しているという。

セルフブランドやカウンセリングブランドのほか、外資系ハイプレステージブランドからも商品の投入が相次ぎ、市場は拡大が続いているという。これにより、同市場は前年比30.9%増の106億円を見込んでいる。

<参照元>
「アンチエイジング、ホワイトニングなどのスキンケアが好調 機能性化粧品の国内市場を調査」
富士経済

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