Liquidとパナソニックは、安心安全に手ぶらで商品が購入できるソリューションとして「無人販売ショーケース」を共同開発した。2月1日より「Inspired.Lab(三菱地所大手町ビル)」で実証実験を実施している。
無人販売ショーケース内の商品は次の手順で購入できるようになっている。
まずLiquidが提供する生体認証(指紋)スキャナーでショーケースのドアを開ける。欲しい商品を選んで手に取ると、パナソニックが提供するRFID(※電波を用いてRFタグのデータを非接触で読み書きする)技術で、手にした商品の情報が追跡される。
次にLiquidが提供する生体認証と連動した決済ソリューション「PASS」を通じて、ショーケース前面に設置されたディスプレイに購入したい商品と価格が表示されれば商品購入が完了する。
購入者は、従来のセルフ形式での商品バーコード読み取りや、漏洩が心配なパスワードの入力、あるいはカード紛失のリスクから解放される。
一方導入者はオフィスの狭小スペースでも商品の設置が可能となり、スタッフの無人化によるコストダウン、24時間安全に買い物ができる利便性と快適な購買体験を提供できる。
物流や小売業では、労働力不足による社会の省力化・無人化への意識の高まりを背景として、商品の個品管理が可能なRFIDタグや、生体認証デバイスの活用需要が年々増加している。
そうした現状をふまえて、無人販売ショーケースはパナソニックおよびLiquidが持つ高い認識・認証技術を組み合わせることで開発された。
今後両社は、高精度な認識・認証技術を核としてこの新しい販売サービスを拡大していくという。
サービスの主な特長
- 生体認証によるスマート決済
- 棚中商品の在庫モニター、欠品・賞味期限検知
- 在庫情報に基づく需要予測、商品補充支援、賞味期限の近い商品のダイナミックプライシング(開発予定)
予め登録した顧客の生体情報(指紋)をクラウドで認証、安全で利便性の高い決済(手ぶら決済)を実現
既設の什器に応じた電波伝搬解析により、RFIDアンテナを最適に配置し、高い読み取り率でコストを抑えたRFIDシェルフを実現(レトロフィット)
RFIDのリアルタイム在庫情報から商品の需要を高精度・高頻度に予測し、利益が最大化するような供給スケジュールを端末に自動提示する機能を開発予定
img:PANASONIC