「英語必須」の求人が増加。訪日外客数の増加の影響で「時給中央値」前年同月比1.55倍に

ビズリーチが運営する求人検索エンジン「スタンバイ」は、英語や中国語など外国語が必須の求人の動向調査を実施、2019年1月31日にその結果を発表した。

英語必須パート・アルバイト求人数は前年比1.55倍に

この調査は「スタンバイ」に掲載されるパート・アルバイト求人を対象にしたもの。それによると、2018年12月に同サイトに掲載されたパート・アルバイト全求人231万件のうち、求人のなかに「英語必須」の単語を含む求人は前年同月比1.55倍(6万件)に増加していることがわかったという。

また、「英語必須」の単語を含む求人の時給中央値は1,300円で、英語が必須ではない求人の時給中央値の1.3倍だった。この結果から、訪日外客数が増加するなか、英語ができるパート・アルバイトのニーズの高まりがうかがえるとしている。

日本政府観光局が発表した「訪日外客数2018年12月および年間推計値を発表 過去最高の3,119万2千人」によると、2018年の訪日外客数は前年比8.7%増の3,119万人で7年連続増加しているという。

これを背景に「スタンバイ」における英語必須のパート・アルバイト求人数も前年同月比1.55倍となっており、訪日外客数の増加に伴い、求人数も増加していることがわかったとしている。

なかでも、英語必須の販売員のパート・アルバイト求人は前年比で1.54倍の3,400件、時給中央値は英語が必須ではない求人の1.2倍1,200円だった。

訪日外客数を国・地域別に見ると、中国がもっとも多く、前年比13.9%増の838万人(全体の27%)。観光庁の「【訪日外国人消費動向調査】2018年全国調査結果(速報)」によると、中国人の消費額は全体の34%を占めており、消費におけるそのけん引力の強さがわかると考察している。

そして、「スタンバイ」における中国語必須の販売員のパート・アルバイト求人数は前年比1.58倍の1,900件で、時給中央値は中国語が必須ではない求人の1.1倍の1,100円だった。

また、販売員のパート・アルバイト求人数が前年比1.1倍の28万件であるのと比較し、中国語・英語必須の販売員のパート・アルバイト求人数は増加しているという。

時給中央値は通常の求人の1.3倍にも

さきほどの観光庁の観光庁の「【訪日外国人消費動向調査】2018年全国調査結果(速報)」によると、2018年の訪日外客の飲食費は前年比10%増の9,758億円である。

「スタンバイ」においては、飲食店関連のパート・アルバイト求人数は前年比1.02倍の5万件であるのに対し、英語必須の飲食店関連のパート・アルバイト求人数は前年比1.65倍の3,700件となっているという。

また、訪日外客のなかには、技術力の高い日本の美容院に行きたいというニーズもあり、日本の美容院を事前予約できる中国人旅行客向けの美容ポータルサイトも存在する。

「スタンバイ」における「美容院 英語必須」または「美容室 英語必須」の単語を含むパート・アルバイト求人の時給中央値は1,300円で、英語が必須ではない求人の時給中央値の1.3倍(求人数は324件)、「美容院 中国語」または「美容室 中国語必須」の単語を含むパート・アルバイト求人の時給中央値は1,200円で、中国語が必須ではない求人の時給中央値の1.2倍(求人数は115件)となっているという。

同社では、これは、初訪日外客や団体観光客は「モノ消費」が中心なのに対し、富裕層や個人観光客の一部は「コト消費」へと興味が移ってきている表れであると推測している。

実際、美容院に英語と中国語が話せる店員を置いたところ、中国人などの来店が増加したという事例もあるそうである。

2019年の中国の春節(旧正月)は2月5日で、その前後を含め最大で7日間の連休となるため、2月は中国からの訪日外客が増加すると予想されるという。

日本政府観光局(JNTO)の「2018年 訪日外客数(総数)」によると、2018年2月の中国人の訪日外客数は約71万6,000人で、春節は日本のインバウンド産業に、大きな影響を与えているという。

また、政府は2020年に訪日外客数を4,000万人、その消費額を8兆円とする目標を掲げており、スタンバイでは今後も英語・中国語必須の求人は増加すると予想している。

<参照元>
求人検索エンジン「スタンバイ」:「訪日外客数の増加に伴い、英語ができる人材のニーズ増 ~英語必須パート・アルバイト求人数が前年比1.55倍、時給中央値は1,300円(英語が必須ではない求人時給の1.3倍)~」

img:PR TIMES

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