DJI JAPANは、日本マイクロソフト、日本システムウエア(以下NSW)と2019年1月30日、人手に頼っている建築物の外壁調査に対し、民生用ドローンとAI技術を活用した「建築物メンテナンスサービス」の開発で協業することを発表した。

同協業では、同社のドローンおよび空撮技術力、NSWのDeepLearningを活用したAIソリューションと日本マイクロソフトのクラウドプラットフォームという3社の強みを生かしたサービスの開発により、建築物の外壁調査業務効率化の推進を目的としているとのことである。

協業における各社の役割以下のとおりである。

  • NSW

    AIソリューション「ToamiVisionシリーズ」のひとつ「CrackVision(クラックビジョン)」を用いて、DeepLearningにより建築物のひび割れを判定するAIエンジンの作成とクラウドシステムの構築。
  • DJI JAPAN

    ドローンの基本的な飛行訓練や実際の現場における作業手順、データ分析など専門的なトレーニングプログラムを体系的に受講できるトレーニングセンター「UTC」(Unmanned Aerial System Training Center)を、2018年9月より開設し、ドローン操縦者の業務支援を実施。同外壁調査についてもドローン操縦者向けトレーニングカリキュラムを提供。

  • 日本マイクロソフト

    AIおよびマシンラーニングにおける技術をドローンに活用するグローバルな戦略的パートナーシップをDJIと締結。今回は、日本における第一弾のプロジェクトとして、NSWの持つAIエンジンとともに建築物の調査業務の実用化に向けた実証実験を行い、その基盤としてパブリッククラウドプラットフォームMicrosoft Azureを提供。

実証実験については、既に3社で本サービスの実証実験を実施しているという。ドローン撮影した建築物の全体画像を3Dモデル化し、AIで自動抽出したひび割れ個所を3Dモデルに重ねた損傷図を作成するシステムを構築し検証。

実験結果として、ドローンの撮影画像から一般的なひび割れの許容範囲といわれている0.2mm幅相当のひび割れ箇所の検出に成功した。

同社はこの結果から、ひび割れ検出技術とドローン撮影・操縦技術が実用に耐えうるとの見解を示し、より巨大な建築物に対しても適用できるよう改善を進めていくと述べている。

また、本サービスの正式リリースに向け、専門家を交えた検証プロジェクトを開始したという。今後も同3社は、建築物メンテナンスへのIT活用の取り組みを協力して進めていく方針だ。

img:PR TIMES