GfKジャパンは、世界70カ国を超える地域での家電販売実績(北米は予測)にもとづき、2018年における家電小売市場(テレコム、生活家電、IT・オフィス、AV・イメージング)の販売動向を発表した。

2018年1-11月には販売実績を、12月は予測値を使用している(販売金額は1USドル=0.829ユーロで換算)。

動向の概要は以下のとおりとなる。

  • 2018年におけるグローバルの家電販売金額は、前年比4%増の約1兆100億ユーロを記録。
  • 多くの製品カテゴリで高価格帯の伸長が見られ、初の1兆ユーロを超える市場規模となった。
  • 成長をけん引したのはテレコム、小型生活家電、AV・イメージング市場で、いずれも前年の販売金額を6-7 %上回る。
  • 地域別の金額構成比をみると、APACが42%と最も大きな割合を占め、次いでヨーロッパが25%、北米が20%、中南米が7%、中東・トルコ・アフリカが6%を占める。
  • 2019年のグローバルのデジタル家電市場は、2%増の1兆300億ユーロ前後を見込む。

テレコム市場は金額前年比7%増

テレコム市場は販売金額のうち44%を占める。台数ベースでは市場成長が停滞するものの、スマートフォンを中心とした高価格帯製品の需要が増え、金額規模は大きく拡大。前年比7%増の約4400億ユーロとなった。

また、地域別では、中南米は5%減と不調だったが、多くの地域で前年を上回り、ヨーロッパと北米はそれぞれ14%増、12%増の2桁成長を記録した。

大型生活家電市場は金額前年比1%減

大型生活家電市場は販売金額のうち17%を占めるが、前年比1%減の約1770億ユーロとなった。同市場のトレンドのひとつにコネクティビティがあり、機器間のネットワーク連携や、スマートフォンにより機器をコントロールできる機能に注目が集まる。地域別では、中南米は6%増、ヨーロッパ3%増、APAC2%増と好調だった。

IT・オフィス市場は前年比1%増

IT・オフィス市場は販売金額のうち16%を占め、2018年の販売金額は前年比1%増の約1570億ユーロとなった。

IT市場では、特にゲームパソコンで顕著だった高性能機器の販売が好調。地域別では、APACと中南米はわずかに前年を上回るが、ヨーロッパは前年並み、北米と中東・トルコ・アフリカは前年を下回る。

オフィス市場では、APAC、特に中国の拡大に支えられ、3%増の約160億円と堅調だった。

AV・イメージング市場は金額前年比6%増

AV・イメージング市場は販売金額のうち15%を占め、前年比6%増の約1530億ユーロとなった。

AV市場では高価格帯製品の成長により、6%増の約1380億ユーロを記録。その4分の3程度を構成するテレビ販売は5%増となった。特に50インチ以上の大画面モデルの拡大が顕著で、販売金額の半分以上を占める。また、有機ELテレビは、テレビ全体の1割に満たない金額規模ではあるが、前年の2倍以上と急伸。

オーディオ販売ではワイヤレス製品が市場成長を支え、モノラルを除くヘッドホン・ヘッドセットは前年比40%増と大幅に伸長、その半分以上をBluetooth対応機が占めた。

地域別では、中南米が24%増と大幅な成長を見せ、APAC、ヨーロッパ、中東・トルコ・アフリカはいずれも4-5%増だった。

一方イメージング市場は5%減と低調だったが、その中で高価格帯のカメラ販売は比較的好調だった。

小型生活家電市場は金額前年比7%増

販売金額のうち8%を占める小型生活家電市場は、前年比7%増の約860億ユーロとなった。

コードレス掃除機に代表される利便性の高い製品の需要増により、多くの地域で前年の販売を上回る結果となった。

APACは13%増と大幅な成長を記録し、特に中国での成長が顕著だったといえる。

img:GfK