経営承継支援は、20~59歳の独立・起業に関心があるビジネスパーソン男女400名を対象に、「独立・起業に関する意識調査」を実施、2019年1月17日にその結果を発表した。

それによると、7割以上が「個人が会社を買って(M&Aで)独立」に興味ありと回答したという。

独立・起業への関心理由のトップは「定年退職後の収入不安」

まず、独立・起業に関心を持っている理由のTOP3は、第1位「定年退職後の収入に不安がある(39.0%)」、第2位「副業やパラレルワークに興味がある(35.0%)」、第3位「自分の裁量で仕事がしたい(31.8%)」となった。

このように、人生100年時代における「老後の収入」問題や、副業・パラレルワークなど「働き方の多様化」といった、今の時代を反映する結果となった。

また、世代別で比較すると、30代はワークライフバランスや自己実現への期待が高い傾向にあることがわかった。また、年齢層が上がるごとに、独立・起業による収入アップへの期待が高まっているという。そして、定年退職がより現実的になる50代は、「退職後の収入への危機感」が非常に強いこともわかった。

独立・起業に関心を持つ理由は、現在の仕事への満足度によって差が出る結果になった。「経営者として事業に参画したい」を理由に挙げた人は、仕事に非常に満足している人では35.3%だが、仕事に全く満足していない人では、わずか12.5%だった。

仕事に全く満足していない人は、「自分の裁量で仕事がしたい(41.7%)」「会社員での収入よりも多く稼ぎたい(36.1%)」、「雇用にとらわれたくない(37.5%)」と答えた割合が多かった。

7割以上がM&Aでの独立に興味あり

次に、個人が既存の会社を買って(M&Aで)独立・経営者になる方法についての興味を聞いたところ、「非常に興味がある(21.3%)」、「やや興味がある(50.3%)」と、7割以上が興味ありと回答した。

また、興味あり派の理由は、「リスク軽減・既存ノウハウで効率的に経営できる」、興味なし派の理由は「起業するならゼロから」というものだった。

しかし、「個人が会社をM&A」という手法への興味度は高いながら、プロセスや実務について知っている人はわずか2割程度だった。また、個人M&Aのニーズは高まっているものの、案件探しや交渉、契約などについては、専門家によるサポートが必要と考えられるとしている。

そして、M&Aで独立する場合に興味のある業種の上位は、第1位「IT・WEB・通信関連業(21.5%)」、第2位「製造業・メーカー(19.5%)」、第3位「医療・薬局・ヘルスケア関連業(17.5%)」となった。TOP10を見ると全体的に、初期投資が少なく開始できるサービス業が多い結果となったとしている。

M&Aで独立するのに適した年齢は、第1位「40代前半(21.5%)」、第2位「30代後半(20.0%)」が上位に入った。同社では、実力もつき、マネジメント経験なども豊富になってくる「ビジネスパーソンとして脂の乗った時期」が適していると考える人が多いようだと分析している。

そして、独立・起業に興味があるにもかかわらず、全世代を通して、約半数は独立・起業資金を貯めていないことがわかった。独立の資金は「自己資金」と回答した人が8割以上を占めたにもかかわらず、貯めている人の平均資金額は、全体が1,259万円にすぎなかった。

また、40代がもっとも低く918万円で、中央値では、30代・40代が他の世代と比べて低い結果になった。

<参照元>
経営承継支援【調査リリース】20~50代のビジネスパーソン男女に聞いた「独立・起業に関する意識調査」7割以上が「個人が会社を買って(M&Aで)独立」に興味あり。」

img:PR TIMES