自然環境でのリモートワークが生産性の向上に一定の効果を示唆

長野県信濃町と特定非営利活動法人Nature Serviceは2019年1月9日、2016年度より行ってきた「脳波測定による、自然体験が寄与する企業経営課題解決への実証実験」の結果、自然環境における従業員のリモートワークが生産性の向上に一定の効果があることの示唆を得たと発表した。

この示唆をもとに、産業保健やニューロマーケティングの専門家らを招き、2019年2月13日に最終報告会を都内で開催する。

都内オフィスを生産性で上回る自然環境でのリモートワーク

長野県信濃町とNature Serviceは、2016年度より3年にわたり、自然環境下における従業員のリモートワークが企業のメンタルヘルスマネジメントにどう貢献できるかを測定する実証実験を行ってきた。

これは、都市部の企業が抱える社員のメンタルヘルスの不調のリスク対策や多様化する働き方のマネジメントという課題に対して、自然の癒しが仕事に与える影響を、脳波分析システムで数値化することで、企業の職場環境改善やリモートワーク推進のサポートができるようにしていこうというもの。

実証実験は、電通サイエンスジャムの感性アナライザーを使用した脳波測定をはじめ、脈拍数、体温、睡眠の質などを指標とした定量的な分析を中心とし、主観申告・アンケート回答などの定性的な分析もあわせて行った。

そして、信濃町にて1泊2日の日程でリモートワーク中の脳波測定を行い、途中、森林ガイドにより1時間程度の森林散策(森林セラピー)を交えたという。

実証実験の結果、8割の参加者において、都内オフィスよりも自然環境に囲まれたリモートワークの方が「興味が高まり活性化している傾向」を示す脳波が平均34%高まっていたという。

また、仕事中の「心穏やかに快適性を保ちながら作業を行っている傾向」を示す脳波は、参加者の7割に平均31%の向上が確認され、主観申告とも合わせた分析の結果、作業効率の向上も実際にみられたことから、生産性向上の効果が期待できると結論した。

この実証実験の最終報告会を2019年2月13日に東京ミッドタウン日比谷 Base-Qホールにて行うとしている。

img:PR TIMES

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