ICT総研は4,062人のユーザーを対象として「2019年 モバイルキャッシュレス決済の市場動向調査」を実施。2019年1月7日にその結果を発表した。

主な調査結果は以下のとおりだ。

  • 決済が小額の際において、モバイル電子マネーを利用する人は全体の9.2%、QRコード決済の利用者は全体の4.1%
  • モバイル電子マネーのうち、よく利用されるのは1位「Suica」、2位「楽天Edy」、3位「nanaco」
  • 利用者の多いQRコード決済は楽天ペイ、PayPay、LINE Pay
  • モバイル電子マネーの利用に満足している人は全体の91%、QRコード決済では83%

少額決済の際、モバイル電子マネーを利用する人は全体の9.2%、QRコード決済は4.1%

今回の調査では、対象者にモバイル電子マネーやQRコード決済の利用状況を尋ねている。その結果、1,000円~3,000円の小額決済時において、現金を利用すると答えた人は全体の71.6%となった。

一方、クレジットカードを利用すると回答した人は全体の43.6%、カード型の電子マネーを利用すると答えた人は17.7%だった。小額決済の際にスマホアプリの電子マネーを利用するという人は全体の9.2%、スマホのQRコード決済に関しては4.1%にとどまった。

1万円~3万円の比較的高額の買い物時は、現金を利用するという人は全体の44.7%にまで下がるのに対し、クレジットカードの利用者は68.3%まで上昇。スマホアプリの電子マネー利用者は4.0%、QRコード決済利用者は2.6%にとどまった。

高額決済時は、クレジットカード利用者が増加し、モバイルのキャッシュレス決済を利用する人は減少する傾向がみられた。同社はこの結果を受け、高額決済においては従来からあるクレジットカード決済の信頼度が高く、新しいサービスであるスマホのキャッシュレス決済は敬遠されているとの考えを示した。

年齢別では、小額決済時にスマホアプリの電子マネーを利用する割合が高いのは40代(14.3%)、QRコード決済を利用する割合が高いのは20代(7.3%)だった。

利用者の多いモバイル電子マネーは Suica、楽天 Edy、nanaco

スマホアプリの電子マネーを利用すると答えた543人に対し、買い物時によく利用する電子マネーのサービスは何か聞いた。結果、最も利用度が高かったのはSuica(238人)であり、楽天Edy(233人)、nanaco(177人)が続いた。そのほか、au WALLET(76人)、PASMO(74人)をはじめ、Smart Plus(39人)やVisa Touch(22人)を利用しているという人も一定数みられた。

Suicaは2001年よりJRの定期券やカード型プリペイド電子マネーとして、スマホなどのモバイルアプリで利用する人は多い。同社は、Felica搭載スマホ普及による影響で今後もSuicaの利用者数が伸びそうだと推測している。

 

利用者の多いQRコード決済は楽天ペイ、PayPay、LINE Pay

買い物でよく使うスマホのQRコード決済サービスを聞いたところ、楽天ペイと回答した人が130人で最も多かった。楽天Payに続き、PayPayの利用者(102人)、LINE Payの利用者(97人)が多くみられた。

楽天のサービスについては、QRコード決済で1位となった楽天Payのほか、電子マネーの楽天Edyの利用者数も多く、Felica型の決済、QRコード決済の両方で高いシェアを獲得している。

2018年12月に展開された「100億円キャンペーン」で大きな話題となったPayPayに関しては、後発のサービスであるものの利用者数が急増しており、首位をうかがえる存在となった。

以前からサービスを続けているLine Playに関しては、SNS市場で高いシェア率をもつLINEアプリとの連携により登録者数では最も多くなっており、結果的に利用者数でも上位につけている。

モバイル電子マネーに満足している人は全体の91%、モバイル QR コード決済では83%

モバイル電子マネー、モバイルQRコード決済の満足度を聞いたところ、まずスマホアプリの電子マネーの満足率は、「満足(40%)」「どちらかといえば満足(51%)」あわせて91%という結果となった。

スマホのQR決済サービスの満足度に関しては、「満足(35%)」「どちらかといえば満足(48%)」あわせて83%だった。このように電子マネーの方が、満足率が高い結果となっており、逆に不満という回答は2%のみだった。

同社では、スマホアプリの電子マネーの満足度が高い理由として、簡単な操作性、高い信頼性、利用可能な店舗数が多いことをあげている。たいしてQRコード決済サービスの満足度が低い要員として、利用できる店舗数が現時点で多くないこと、利用する際の操作性、サービス開始からまだ時間がたっておらず信頼性が高くなっていないことが考えられるとしている。

サービス別にみると、スマホアプリの電子マネーのうち最も満足度が高かったのはQUICK Pay(82.5%)で、Suica(81.4%)が続いた。QRコード決済では、LINE Payの満足度が80.5ポイントで最も高く、楽天ペイ(76.0%)が続いた。

クレジットカード・デビットカード、Felicaカード型電子マネーといったカード型のキャッシュレス決済サービスがこれまで大半を占めてきたが、同社では今後スマートフォンの普及にあわせスマホ上で利用可能なキャッシュレス決済が普及していくと見込んでいる。

一方、QRコード決済に関しては、ここ1~2年でサービス参入する事業者が急増しており、2019年にもKDDIのau Pay、セブン・イレブンのセブンペイなどが開始される予定とのことだ。

政府でもキャッシュレス決済比率を金額ベースで4割以上に引き上げる政策をすすめており、同社はスマホでのキャッシュ決済が急ピッチで普及すると推測している。

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