バリ島で王族の土地を有効活用。ブロックチェーン×ホテル事業を実施する「SUNプロジェクト」

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インドネシアのPT PURI SUNADA SVARNAは2018年12月24日、インドネシアのバリ島で王族の土地を有効活用するブロックチェーン×ホテル事業を世界初で実施するプロジェクト「SUNプロジェクト」を開始すると発表した。

このプロジェクトは、デンパサール王一族の協力を得ることで、王族が所有する遊休資産化した土地にホテル事業を誘致する不動産運用事業と、ブロックチェーン技術を融合した「世界初」のプロジェクトだという。

SUNトークンは、2018年12月8日にローンチした。トークンの販売は2年に渡り全4回行われる予定。初回のトークンは2019年1月5日販売開始する。

リッツカールトンホテルの隣接地を活用したSUNプロジェクト

インドネシア共和国のバリ島は世界でも有数のリゾート地であり、毎年多くの外国人観光客(2017年度は570万人)が癒やしと観光のために訪れ、バリの自然や気候、バリ舞踊やインドネシア料理、サーフィンやマッサージ、ホテルライフなどを楽しんでいるという。

多くの観光客が宿泊するバリのホテル事業は、バリ政府の歳入の三分の二を占めている重要な観光産業の基幹事業である。2018年には約19億ドルの収益が見込まれており、格安ホテルから超高級ホテルまで様々な顧客層にあわせたホテルが多数存在する。

その中でもヌサ・ドゥア地区は、国際的なインターナショナルチェーンである、リッツ・カールトン、ヒルトン、グランドハイアットなど高級ホテルが多数存在し、富裕層をはじめとしたホテルライフを楽しみたい顧客層が多く滞在している。

その高級ホテル群の中で、世界的に著名なリッツカールトンホテルの隣接地に、手付かずの更地と広いビーチがあった。この土地は、王族により所有されており、遊休資産と化していたが、日本人起業家との出会いを通して、経済的かつ社会的視点から有効活用しようと意気投合し、今回のSUNプロジェクトにつながった。

土地の賃借権および賃料受益権をブロックチェーン化

インドネシアの不動産業界では大きく二つの問題が起きているという。一つ目は、インドネシアの土地売買においては、多くの部族や家族により土地所有権が分割されていることが多く、政府による土地法令の変更および改定が歴史的に繰り返されたことから、土地の所有権関係は複雑さを極めていること。

このため、登記移転に関して、膨大な手間と時間、費用が掛かっているという。

二つ目に、地元ディベロッパーが手掛けるプロジェクトの迅速な情報開示及び分配金の支払遅滞などが恒常的に発生していることがあるという。

そこでSUNプロジェクトは、この二つの問題点に着目し、土地の賃借権および賃料受益権をブロックチェーン化(トークン化)することで、すべてをスマートコントラクトで自動化させた、「世界初」の取り組みを行うという。

具体的には、トークン化された土地の賃借権および賃料受益権を「SUNトークン」として販売を行い、資金を調達する。

調達された資金は、土地造成およびマーケティング費用として用いられ、世界的な一流ホテルブランドを同プロジェクト用地に誘致し、トークン所持者の利益極大化に向けて使う。

そして、SUNトークンの購入者は、誘致されたホテルから支払われる賃料の一部の受益権を得ることができ、「配当専用トークン」を通して配当を受領する。

分配された配当は、同プロジェクトオーナーが運営するプライベート仮想通貨取引所において、BTC、ETH、XRPなどの暗号通貨に変換できるという。

SUNプロジェクトの狙いは、インドネシアの王族の想いであるバリ市民ひいてはインドネシア国民への社会的利益に重きを置き、インドネシアの王族をはじめ、業界のプロフェッショナルを巻き込むことで、ネガティブなイメージを抱かれつつある暗号通貨のイメージ改善にも繋るということ。

また同プロジェクトをとおして、ホテル事業の誘致による雇用創出、現地政府の歳入増加、SUNトークン購入者への収益分配、そしてバリを愛する観光客への新たなホテルリゾートの提案を通して、SUNプロジェクトに関わる全てのステークホルダーが社会的かつ経済的に利する事業になることを目指すという。

2019年1月5日から第1期のセールが開始されるが、SUNの全発行トークンのうち55%の販売を予定しており、年率15%前後のリターンを購入者に還元する目標を設定しているという。

img:PR TIMES

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