移住スカウトサービス「SMOUT(スマウト)」を運営するカヤックLivingは2018年12月25日、移住・定住のための地域系サービスをまとめたカオスマップ2018年版を公開した。

年々身近なものになりつつある「移住」

近年、ICT環境の整備や、モバイルPC・スマートフォンなどの普及により、働く時間や場所に捉われない、自分らしい暮らしを求めて、「移住」を考える人が増加しているという。

国土交通省が2018年6月に発表した「平成29年度国土交通白書」によると、三大都市圏に住む若者は4人に1人が地方移住に関心があるという結果が明らかになった。

その他認定NPO法人ふるさと回帰支援センターが2018年2月に発表した「移住希望地域ランキング2017」から、センターへの来訪者・問合せ数は昨年より大幅に増加していることが判明したという。

これらの背景には、地方移住促進に積極的な自治体の増加が考えられており、年々「移住」が身近なものになりつつあるという。

また、カヤックLivingがこれまで移住スカウトサービス「SMOUT」の運営を通じて集めた2,000名以上の移住希望者のデータから、40代・50代の週末滞在、2拠点居住や老後の拠点としての「移住」だけでなく、20代・30代の潜在移住希望が多いことも判明したという。

このように、「移住」は若者からも注目を集めている。同社では「移住」情報を集めるツールや「移住」のサポートとなるような多様な地域サービスなどをまとめ、公開することで、今後、より「移住」への理解が深まり利用促進に繋がればと考え、移住・定住のための地域系サービスを整理したカオスマップを作成したという。

カオスマップからみてとれる4つの考察とは

マップは、大きく「メディア」と、「ユーザー参画型のサービス(メディア型プラットフォーム、クラウドファンディング、通貨、地域のSNS、多拠点居住、試住マッチング、地域の仕事マッチング、地域の人マッチング、関係人口促進マッチング)」に分類した。

さらにその中を住宅などといったハードをマッチングするものと、コミュニティなどのソーシャル的な繋がりなど、ソフトをマッチングするものなどサービスのテーマに分類している。

このカオスマップからの考察としては、以下のようなものがある。

  1. ソトコトが「関係人口」を大きく取り上げ、総務省が「関係人口」をテーマにポータルサイトを開設。副業系のサービスリリースが散見されるなど、地域への関わり方の多様化が見てとれるとしている。
  2. クラウドファンディングにおいては、ガバメントクラウドファンディング(ふるさと納税制度を活用して行うクラウドファンディング)など、地域活性をテーマとするプロジェクトが増えている。
  3. スマホで簡単にコミュニティを作って、オリジナルのコインを仲間と一緒にやりとりできる「KOU」など、コミュニティコインの話題がしばしば見られたという。地域通貨は日本全国で導入する地域が増えており、ブロックチェーン技術とともに2019年も引き続き話題となることが予想されるという。
  4. コリビング、地域の空き家の利活用など、地域における住宅問題の取り組みが見られるという。

img:PR TIMES