キリンは2018年12月20日、世界各国のビール協会などに対して独自に実施したアンケート調査と最新の海外資料に基づき計170の世界主要国および各地域において、2017年のビール消費量をまとめた結果を発表した。

それによると、2017年の世界ビール消費量は3年連続でマイナスとなり、アジアは10年連続でトップとなった。

世界の総消費量は前年比0.2%減の約1億8,672万klに

今回の調査では、世界の総消費量は、前年比0.2%減となり、3年連続でマイナスの約1億8,672万klとなった。これは東京ドームをジョッキに見立てると、約151杯分(東京ドーム1杯は約124万kl)に相当するという。

国別では中国(前年比3.9%減)は、2003年から15年連続で1位となったが、消費者の需要が成熟し、飽和した影響を受けた影響で4年連続のマイナスとなったという。

一方で、中高価格帯の商品は好調に推移したという。ベトナム(前年比5.8%増)は、2017年の経済成長率が6.8%となり、2008年以来最も高い成長率を記録した。キリンでは、経済成長に伴い、消費動向が活発になり、ビール摂取量が増加したものとみている。

また、フィリピン(前年比13.8%増)は、製造業、サービス業、農業等が好調に推移し、加えて雇用改善など持続的な経済拡大により消費が拡大した。飲酒傾向も、主流である低価格なブランデーから、高級品であるビールへシフトが起きているという。

10年連続トップのアジアは中国の消費量減少が影響し4年連続の減少に

次に地域別では、アジア(前年比0.8%減)の構成比が33.7%(前年33.9%)と、10年連続で1位となった。

アジアは、ベトナム(前年比5.8%増)、韓国(前年比5.6%増)、タイ(前年比15.8%増)、フィリピン(前年比13.8%増)などがけん引したものの、中国(前年比3.9%減)が影響し、4年連続の減少となったという。

3位の中南米(前年比1.3%増)は、メキシコ(前年比6.8%増)やアルゼンチン(前年比5.5%増)などがけん引し、増加となった。

そして、国別一人当たりビール消費量では、チェコ共和国は25年連続で1位となった。そして、上位35カ国では、消費が伸びた国は12カ国だった。
※チェコ共和国は、2002年以降の人口カウント方法訂正により、一人当たりビール消費量を修正。

<参照元>
「キリン、2017年世界主要国のビール消費量を発表」KIRIN