2018年11月28日、プラネットは、キャッシュレスに関する意識調査の結果を公表した。
調査期間は、2018年10月15日~26日。20代以上の男女、3754名から回答を得ている。
明らかになった主なトピックは次のとおり。
- 「ふだんお財布にどのくらいお札が入っているか?」については、「10,000円~30,000円未満」が33.4%で1位
- 「スマホ・QRコード決済」の利用は、男性の若年層での広がりが目立つ
- 女性が現金での支払いを好むのは、「お金のやり取りが目に見えて安心だから」
- 「電子マネー」で支払う理由については、男性で「おつりが出るのがわずらわしいから」、女性で「ポイントが貯まるから」が多い
ふだんお財布にどのくらい現金が入っているか
調査ではまず、「あなたのお財布には、ふだん現金がいくらくらい入っていますか?」とたずねている。
最も多かったのが「10,000円~30,000円未満」33.4%。次いで、「5,000円~10,000円未満」23.7%、「1,000円~5,000円未満」18.8%という結果になった。
男女別でも順位は同じだったが、男性では「10,000円~30,000円未満」が35.3%であるのに対し、女性では4.9ポイント(以下、pt)低い30.4%。また、より低額帯の「5,000円~10,000円未満」「1,000円~5,000円未満」は女性のほうが数値が高い。
男性のほうが、高額を所持する傾向がみられる。
性年代別では、「10,000円~30,000円未満」が男性の70代以上で40.9%と最高値。女性でも60代で39.7%、70代以上で36.8%と高い。高齢層で所持金が高い傾向がうかがえる。
調査を行ったプラネットでは、「高齢層ほど昔の感覚が残り、“現金主義”の傾向が強いとも考えられそうだ」とコメントしている。
男性の若年層に広がる「スマホ・QRコード決済」
次に、「買い物のときなどに、支払っていますか。主な支払方法を教えてください」と質問した。
最も多かったのは「現金で」の89.5%。2位は「クレジットカード」66.8%、3位「電子マネー」47.4%と続く。4位以降の「プリペイドカード」「デビットカード」などを引き離す結果となった。
同社では、「“現金主義”の人が多いのは確かだが、『現金』『クレジットカード』『電子マネー』を併用している人も多いことがわかる。おそらく、利用店舗やシーンに応じて使い分けていると考えられそうだ」と分析している。
男女差に注目すると、「現金で」「クレジットカードで」「電子マネーで」「プリペイドカードで」までの上位項目は、女性のほうが男性より高い。デビットカードで」「スマホ決済・QRコード決済で」「仮想通貨で」は男性のほうが高くなっている。
特に「現金で」は女性が男性を4.5pt上回っている。男性に比べて女性のほうが、支払いに「現金」を利用する傾向がみられた。
性年代別にみると、「現金で」には年代による顕著な違いはみられない。いずれの性年代でも8~9割超の人が回答している。
「クレジットカードで」は、男女ともに若年層ほど低い結果となった。若年層では、クレジットカードを作っていない人もいると考えられる。
「電子マネーで」は、特に男性で年代による傾向の違いが大きくみられた。60代以上の高齢層で低いが、30代~50代では50%を超えた。女性でも、70代以上の高齢層と20代で低くなっている。
これについては、「支払いを効率よく済ませたい働き盛りの年齢層に『電子マネー』が浸透しているのかもしれない」とのコメントが付されている。
特徴的だったのが「スマホ決済・QRコード決済で」。男性の20代・30代で高い。特に30代では14.7%が回答している。同社は「スマホを使った新しい支払い方法を若年層の男性が積極的に利用している様子がうかがえる」としている。
女性はなぜ「現金」支払いを好むのか
「支払いに、現金を利用する理由は何ですか?」という質問には、「どこでも使えるから」が58.2%で1位となった。以下、2位「使い慣れているから」52.2%、3位「いつも財布に現金を入れているから」31.9%と続く。
「現金で支払うことに特別なメリットがあるというよりも、“慣れ”からくる安心感が理由の大きな部分を占めているようだ。4位に『利用するお店が現金払いのみのところが多いから』が入り、1位の『どこでも使えるから』とあわせて考えると、現金以外で支払う環境が未整備という現状も想像される。けっして現金での支払いをベストと思って選択しているわけではないのかもしれない。」というのが、同社の分析だ。
男女差に注目すると、「お金のやり取りが目に見えて安心だから」で最も差が大きくなっている。女性が男性を5.6pt上回った。「リアルにお金を使っている気持ちになるから」でも、女性が男性を1.9pt上回っている。
これについては、「男性に比べて女性のほうが、『現金』という目に見えるやり取りによって、お金を払っている実感や安心感を得ているようだ」との見解が示されている。
男性と女性とで違う「電子マネー」で支払う理由
「支払いに、電子マネーを利用する理由は何ですか?」という問いについては、現金と違って支払いがスムーズだから」が52.7%で1位となった。2位「ポイントが貯まるから」50.9%、3位「おつりが出るのがわずらわしいから」37.6%、4位「持ち運びがしやすいから・便利だから」34.4%と続く。
4位までの項目は、3人に1人以上が回答。現金と違ってかさばらず、スマートに支払いができる機能的なところにメリットを感じている人が多い。
男女差に注目すると、女性では「ポイントが貯まるから」が男性を19.8pt上回る。順位も全体とは逆転。「現金と違って支払いがスムーズだから」の49.4%を抑え、「ポイントが貯まるから」の62.8%が1位となっている。
また、「ポイントが貯まるから」に次いで「割引・優遇などの特典があるから」も女性のほうが5.1pt高い。
一方で、「おつりが出るのがわずらわしいから」は、男性が女性を15.7pt上回った。次いで「現金を持ち歩くのが面倒だから」も男性のほうが8.7pt高い。
この結果について同社では、「女性は『ポイント』や『割引』などの特典に引かれて電子マネーを利用するケースが男性に比べて多く、“おトクかどうか”が支払い方法を左右しているといえそうだ。男性は、現金やおつりを扱うわずらわしさが電子マネー利用の大きな動機になっているようだ」とコメントしている。
<出典元>
意識調査 Fromプラネット Vol.98 「キャッシュレスに関する意識調査」