パブマティックは、デジタルインファクトと共同で、メディアバイヤー(広告主および広告代理店)100名を対象に、2018年の国内市場の動画広告に関する意識調査を実施し、その結果を発表した。

調査の結果、「動画広告の請求額に関する透明性」に関しては広告代理店よりも広告主のほうが懸念を示していること、また、プログラマティック広告の利点に関して国内の認知度が低く、継続的な啓蒙が必要であることが浮き彫りになったという。

60%以上のメディアバイヤーがオンライン動画広告予算を前年比増に

調査によると、60%以上のメディアバイヤーが、2018年のオンライン動画広告予算を前年比で増加させたという。オンライン広告予算全体における動画広告予算の割合については「20%以上」との回答が30%にのぼり、動画広告の割合が上位を占めてきたことがうかがえるとしている。

また、大手動画プラットフォームのブランド毀損に関するニュースが、昨年から日本でも多く報道されている。そうしたなか、日本のメディアバイヤーの60%以上がグローバルのプラットフォームが提供する動画広告枠を使用しており、また6割以上が透明性についても満足していると答えているという。

eMarketerの調査によると、米国においてもブランドセーフティーの問題は主要プラットフォーマーの売上に大きな悪影響はなく、GoogleとFacebookのデュオポリー(Duopoly)状態は継続されているという。しかし、この調査において、国内メディアバイヤーの透明性に関する満足度は、広告代理店よりも広告主の方が低いことが明らかとなったとしている。

特に「請求額に関する透明性」については、過半数以上の広告主が満足していないという。米国市場の調査でもメディアバイヤーの懸念として、「メディアの品質」と「経済上の透明性」が最上位に挙げられていることから、同様の傾向が日本でもみられたと考える。

同社は、広告の透明性に引き続き注目し、信頼できるパートナーを選択することが重要であると提言している。

日本はプログラマティック広告の浸透率は発展途上

また、オンライン動画広告を利用したことがあるメディアバイヤーのうち、プログラマティック広告を利用したことがあるメディアバイヤーは40%だったという。PMPを使用したことがあるメディアバイヤーは20%で、広告主と広告代理店の内訳は12.2%と25.4%であった。

PMP非利用者の40%以上が、PMPを利用していない理由として「利点を認識していない」ことを挙げており、広告主と広告代理店の割合はそれぞれ47.8%と37%。

そのため、動画広告におけるプログラマティック広告の浸透率は日本では発展途上にあり、引き続き啓蒙が必要な状況であると同社は考えている。