聖マリアンナ医科大学病院とNECネッツエスアイは2018年12月17日、聖マリアンナ医科大学病院にて、デリバリーロボット「Relay」による検体・薬剤の搬送の実証実験を開始したと発表した。
この実証は、神奈川県の「公募型『ロボット実証実験支援事業』」に採択され実施するもの。2018年12月16日~2019年1月11日に実施される。
「Relay」を使い病院利用者への利便性・サービス向上を目指す
聖マリアンナ医科大学は、2021年の創立50周年に向け「選ばれる病院~人・社会・未来から~」をテーマにリニューアルを計画し、高次医療を追求し最善・最適な医療を提供できる体制の構築を目指している。その取り組みの中で医療従事者の働き方改革として医療現場におけるロボット活用を検討しているという。
一方で、NECネッツエスアイは、自律走行型デリバリーロボット「Relay」導入に必要なインフラ構築からロボットのレンタル・運用・メンテナンスまでワンストップで提供している。そして、病院や介護施設における医療品や検体など秘匿性の高い搬送用途に対応する機能拡張を図るなど、ロボティクス関連事業の強化を図っている。
両者はこの実証実験を通して、医療従事者の搬送業務における負担軽減や業務効率化を図り、働き方改革を促進することで、入院患者などの病院利用者への利便性・サービス向上を目指すとしている。
デリバリーロボットが検体および薬剤を搬送
実証実験の概要は以下のとおり。
目的:医療現場において、デリバリーロボットが検体および薬剤の搬送を行うことで下記効果があることを検証する。
- 医療従事者の搬送業務における負担軽減(1日あたり利用回数や1回あたりの所要時間など)
- RFID認証による開閉、ログ管理による搬送品(検体および薬剤の安全性及び品質確保の向上
- 施設内やエレベーターを走行することで病院利用者などに対してストレスにならないかの確認
- 自律走行型デリバリーロボット「Relay」の特長
- 本体ディスプレイ上で番号入力するだけの容易な操作で搬送指示が可能
- 各種センサーにより、人や障害物を回避しながらの自律走行に対応
- エレベーター連携によって、マルチフロア移動が可能
- コンパクトな設計で病院利用者などに対する圧迫感がなく、人との共存が可能
- 上記、4つの特長に加え、秘匿性の高い搬送用途に対応するためRFIDカード認証によるロック機能を新たに搭載
搬送イメージ(薬剤)としては、走行ルートは上の図のように本館の薬剤部~別館の内科病棟までの薬剤搬送を以下にて実施する。
操作は、上の図のようなイメージで操作する。
img:NECネッツエスアイ