顔情報とクレジット情報など「共通ID」の活用で観光客を「IoTおもてなし」

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NECは、南紀白浜エアポート、白浜館、フィッシャーマンなどらとともに、観光客やビジネス客の満足度向上や空港の安全・保安対策の高度化を目的とした、「IoTおもてなしサービス実証」を実施する。

本実証施設となる和歌山県・南紀白浜空港では、2018年5月に南紀白浜エアポートが公表した「南紀白浜空港マスタープラン」に基づき、20年後までに現在の3倍となる30万人の旅客数達成を目指している。

そのため、地域全体のIoT先進化を含むおもてなし拡充による利用者満足度の向上や、IoTを活用した空港運営の生産性向上などに取り組んでいるという。

これに対し同社は、自社の顔認証技術を用い、地域の玄関口である空港で顔情報とクレジットカードなどの情報を登録することにより、以後は一つの共通IDとして活用できる環境を提供する。

具体的には、技術検証の場として、ホテルや商業施設など南紀白浜空港およびその周辺の複数施設で行われるおもてなし実証において、機材提供やシステム構築、運用などを行うとのことだ。実証期間は、2019年1月14日から同年8月末までの予定。

また本実証には、同社が新たに開発した顔検出エンジン「NEC AI Accelerator」を活用し、さらにキャッシュレスの普及促進のため、ベリトランスの協力を得て行われる。

各実証施設のIoTおもてなしサービス実証の概要

《南紀白浜空港ターミナルビル》

《SHIRAHAMA KEY TERRACE HOTEL SEAMORE》

《フィッシャーマンズ・ワーフ白浜》

《いけす円座(いけすわろうだ)/すし八咫(すしやた)》

実証内容

自宅スマートフォンのWebブラウザまたは和歌山県・南紀白浜空港の到着階にあるQRコードから、顔情報とクレジットカード情報などを登録。

登録完了後は、ホテルや商業施設、オフィスなどに設置されたカメラから顔情報を検出し、登録された個人を特定することで、各種出迎え業務や、ホテルの客室の解錠が可能になる。

さらに商業施設でのショッピングや飲食店利用時の決済などが自動で行えるなど、利便性を高めることによる観光客の満足度向上を目指すという。また、マーケティング分析も実施することで、各施設での効果的なキャンペーンやデジタルサイネージ広告に利用。

さらに、空港内の保安エリアへの逆流防止分析も実施し、安全・保安対策の高度化を通じた空港運営の生産性向上に寄与するという。

同社は、AIやIoTを活用した本実証を通じ、観光客やビジネス客の利便性を向上させ、南紀白浜エリアでのおもてなしサービスによる地域経済の発展を支援するとともに、安全・保安対策の高度化を通じた空港運営の生産性向上にも貢献すると述べる。

img:NEC

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