世界最大級の総合旅行サイト・エクスペディアの日本語サイト、エクスペディア・ジャパンでは、有給休暇の国際比較調査を実施、2018年12月10日にその結果を発表した。

それによると、日本の有休取得率、有休取得日数、ともに世界最下位だった。

日本人の有給休暇の取得率は3年連続の最下位

この調査は、世界19カ国18歳以上の有職者男女計11,144名を対象としたもの。

2019年4月1日から年5日の有給休暇の取得が義務付けられる日本の状況はどうだろうか。残念なことに今回の調査でも日本人の有給休暇の取得率は未だ低く、世界19カ国の中で3年連続最下位の50%という結果になった。

ワースト2位のオーストラリアの有休取得率は70%となっており、日本の有休取得率は世界的にみても圧倒的に低いことがわかる。

また、有給休暇の取得日数においても10日と、アメリカとタイと並んで世界最下位という結果になった。

全体的にヨーロッパ諸国は有休取得日数、有休取得率が高い傾向にあり、アジア諸国は有休取得日数が低い傾向にあるという。その中でも一番低いのが日本だ。

日本は他のアジア諸国と比べても休みを欲していない傾向が浮き彫りになっている。

一方で、日本と同様に有休取得率と有休取得日数が例年低かった韓国では、ともに結果が上がっている。同社によると世界各国と比べると、日本の 「働き方改革」はまだまだ進んでいないようだとしている。

また、有給休暇の取得に罪悪感があるかどうかについて聞いたところ、日本人の58%が「ある」と回答、世界でもっとも割合が多い結果となった。他国を見てみても、有給休暇を取得していない国ほど、罪悪感を感じている傾向にあるという。

また、日本人のうち「自分は今より多くの有給休暇をもらう権利がある」と考える人は54%と、この項目は世界でもっとも低い結果となった。有給休暇をもらっていないにも関わらず、この点については日本は他のアジア諸国とは異なる傾向にあるようだと分析している。

休みが取れていないにも関わらず休みを欲していない日本人

そして、休み不足を感じるかについて聞いたところ、日本人の53%が休み不足を感じていると回答した。しかし各国と比べるとこの割合は低く、同項目と有休取得日数を掛け合わせた表を見てみると、日本人は休みを取れていないにも関わらず、休みを欲していない様子がうかがえるという。

他国を見てみると、インド、香港、韓国など、有給取得日数が少ないアジア諸国ほど休みを欲している。

一方で、フランスは有休取得率100%、取得日数も30日と世界でも他に例を見ないほどに休暇が多いにもかかわらず、64%が休み不足を感じていることがわかった。各国によって休暇に対する考え方は大きく異なるようだ。

有給休暇の取得に罪悪感がある日本人

有給休暇を取得しない理由について聞いたところ、日本人の第1位は「人手不足」だった。さらに3位には、「仕事する気がないと思われたくない」という理由がランクインした。同社では日本人は職場の状況や空気を察するあまり、有給休暇を取得できていないのかもしれないとみている。

また、出張に合わせて有給休暇を取得したことがあるか聞いたところ、日本人の79%が「ない」と回答した。こちらも世界で一番高い割合になった。職場の状況を気にしがちな日本人は、出張を休暇にうまく繋げられていないことがわかるとしている。

世界では昨今、出張に休みをぶつけて旅行をする「ブレジャー(ビジネス+レジャー)旅行」が注目されている。しかし、日本で浸透するにはまだ時間がかかりそうだとエクスペディア・ジャパンでは見解を示している。

このように有給休暇の取得することに罪悪感がある人が多く、出張にも休暇をぶつけられない日本人。休暇の取り方に関する質問では、長い休暇を取得する人の割合が世界でもっとも低く、「短い休暇を複数回」という形で休みを取る人が世界でもっとも多いことがわかった。

同社では、有給休暇の取得に罪悪感がある日本人にとって、長い休暇を取ることは難しいと分析。

一方、ブラジルやメキシコ、スペインなど有給休暇に対する罪悪感が薄い国々では、長い休暇を取る割合が高いことがわかった。気兼ねなく休暇を取れる国の人は、思い切った長期休暇を取ることが多いのかもしれないと結論している。

img:PR TIMES