2019年10月に消費税増税と外食・酒類を除く飲食料品へ軽減税率の適用が始まる。そこで、リクルートライフスタイルの外食市場に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」は、2019年10月の消費税増税ならびに飲食料品への軽減税率適用と食生活の変化についてのアンケートを消費者に対して実施し、2018年12月5日にその結果を発表した。
それによると、飲食料品が軽減税率8%の対象であることを知っている人は68.6%。そして、外食や中食での、軽減税率適用範囲についての認知率は48.3%の結果となった。
68.6%が軽減税率適用を認知
まず、「食料品の購入に軽減税率が適用される予定であることを知っているか(全体/単一回答)」を聞いた。その結果、全体では「よく理解している」が15.0%、「多少は知っている」が53.6%で、合計68.6%が認知している。
性年代別では、女性より男性の方がやや認知率が高く、年代が上がるほど認知率も高いという傾向がみられた。認知率がもっとも高かったのは60代男性で、合計82.4%が「よく理解している」または「多少は知っている」という回答だった。
一方、認知率がもっとも低かったのは20代女性で合計51.4%が「よく理解している」または「多少は知っている」という回答だった。圏域別にはどの圏域でも認知率に大きな違いは見られなかったという。
次に、「外食や中食で軽減税率が適用される予定の範囲を知っているか」と聞いた。その結果、適用範囲について「よく理解している」と「多少は知っている」の合計は全体では48.3%と、認知状況はほぼ半々という結果であった。
性年代別には、女性より男性の方が認知率がやや高く、女性では年代が上がるほど認知率が高いという結果であったが、男性では60代より50代の認知率が高かったり、40代より30代の認知率が高いなど、一部で逆転している部分もあったとしている。
また、「食事をする際に、消費税と軽減税率の差2%を気にするか」と聞いたところ、全体では「気にする」と「やや気にする」の合計は67.4%。
性年代別では、女性の方が男性より「気にする」傾向にあり、また、年代では若年層ほど「気にする」傾向にある。「気にする」と「やや気にする」の合計が最も高いのは20代女性で78.3%であった。
逆に「気にする」と「やや気にする」の合計がもっとも少ないのは60代男性の54.4%だ。
同社では、認知率では全く逆の傾向であったことから、若い世代ほど「気にする」一方で、軽減税率の適用に関しては「知らない」という結果になったと見解を示している。
テイクアウトやデリバリーを検討する飲食店増加の可能性あり
そして、増税後に、飲食店で外食(税率10%)をせずに、軽減税率8%が適用される予定のテイクアウトや出前を選ぶ機会が増えそうかどうかを聞いた。その結果、食事の種類では、「夕食」で、軽減税率8%が適用される予定のテイクアウトや出前を選ぶ機会が増えそうとした人が28.9%でもっとも多かった。
また、食事の相手では、「夫婦ふたりの食事」で、軽減税率8%が適用される予定のテイクアウトや出前を選ぶ機会が増えそうとした人が23.6%と最も多かった。前問で若年層ほど2%の差を「気にする」という回答が多かったが、ここでも、20代男女や30代女性で他の性年代よりも軽減税率8%が適用される予定のテイクアウトや出前を選ぶ機会が増えそうとした人が目立ったという。
特に食事の相手が「恋人や異性の友人と二人の食事」(いわゆるデート)の場合でも、20代女性で20.3%、20代男性で17.2%が、軽減税率8%が適用される予定のテイクアウトや出前を選ぶ機会が増えそうと回答している。
最後に、消費税増税後の食生活についてどのように変わると思うか、調査日時点での気持ちを聞いた。
上の図は「増えると思う」から「減ると思う」を引いた数値で、棒グラフが下向きは「減ると思う」人が多いことを表し、棒グラフが上向きだと「増えると思う」人が多いことを表している。これを見ると消費税10%が適用される飲食店での外食などはわかりやすく減少予測で、8%が適用される中食(持ち帰って自宅で食べる)などは増加予測となっている。
もっともマイナス幅が大きいのは「飲食店で外食する回数(飲酒を除く)」で、差が‐33.1ポイント。逆にもっともプラス幅が大きいのは「自宅で料理して食べる回数(飲酒を除く)」で+23.2ポイントであった。
飲食店においては、店舗内での飲食回数については悲観的な予測となっているものの、軽減税率8%が適用予定の「飲食店からテイクアウト・出前をする回数」は差が+7.4ポイントとプラスの予測だ。
同社では、これらの結果から、2019年10月を見据えて、テイクアウトやデリバリーを検討する飲食店が増える可能性もあるとの見解を示している。
img:PRTIMES