楽天が切り拓く“持続可能な消費”社会。「EARTH MALL with Rakuten」がグランドオープン

楽天は、11月29日(木)に、SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)の目標12にあたる「つくる責任 つかう責任(持続可能な消費と生産のパターンを確保する)」への貢献を目指し、サステナブル(持続可能)な消費を提案する「EARTH MALL with Rakuten」をグランドオープンの記者会見を行った。

同サイトは、「未来を変える買い物を。」というスローガンのもと、「楽天市場」で購入できる未来の環境、社会、経済に配慮してつくられた商品を提案するものだ。

「EARTH MALL」はSDGsを作り出す有識者プラットフォーム「OPEN 2030 PROJECT」から生まれ、博報堂が社会実装を担っているプログラムであり、インターネットショッピングをとおしてSDGsの実現に貢献していきたいという想いから「EARTH MALL with Rakuten」は誕生したという。


「EARTH MALL with Rakuten」掲載商品

多様なキュレーターとともに、「楽天市場」内で購入できる「MSC(海の資源や環境に配慮した漁業)」、「FSC(森を守り必要な分だけ切られた木材)」といった各種国際認証を取得した商品をはじめ、原料や製造過程などにおいて環境や社会に配慮された商品を紹介し、7,000点の商品を扱っているという。(※)またEARTH MALL編集部およびキュレーターが厳選した「未来を変える商品」の紹介コーナーなども設けているとのことだ。
(※)11月29日(木)現在

グランドオープン時点で紹介する国際認証は、以下の6つとなっている。

  1. FSC認証(Forest Stewardship Council:森林管理協議会)

    FSCのラベルが付いたものは適切に管理されていると認められた森林から100%伐り出した木材で生産された製品となっており、積極的に消費者に選ばれることで、適切な管理をしている森が増えることになる。

    また、健全な森林の育成をサポートすることにつながり、保護すべき森林を伐採しようとする圧力の抑制となる。
  2. MSC認証(Marine Stewardship Council:海洋管理協議会)

    MSC は、豊かな海を守るために、持続可能で環境に配慮した漁業の普及に取り組んでおり、消費者がこのラベルの付いた水産物を選ぶことで、漁業者を支えることにつながり、持続可能で適切に管理された漁業が広がることになるというもの。
  3. ASC認証(Aquaculture Stewardship Council:水産養殖管理協議会)

    ASC認証された水産物は、責任ある養殖によって生産された水産資源であることの証明とされており、養殖に関わる自然破壊や環境汚染、環境負荷の防止や低減が求められる。
  4. RSPO認証(Roundtable on Sustainable Palm Oil:持続可能なパーム油のための円卓会議)

    RSPOは、パーム油産業に関わる7つのセクターのステークホルダー パーム油の生産 石、加工業者・貿易業者、メーカー、小売業者、銀行・投資会社、環境系 NGO、社会・開発系 NGO)を結束する非営利団体だ。

    RSPO は、持続的なパーム油(CSPO:RSpoCertified Sustainable Palm On)を生産するために企業が遵守すべき環境・社会的要件を定めている。
  5. 国際フェアトレード認証

    国際フェアトレード認証ラベルは、製品の原料の生産過程において、適正価格の保証、プレミアム(奨励金)の支払い、長期的な取引、児童労働の禁止、環境に優しい生産など、国際フェアトレードラベル機構が定めた基準が守られている製品であることを示す。
  6. GOTS認証(Global Organic Textile Standard:オーガニック・テキスタイル世界基準)

    糸、生地、衣類など広い意味での繊維製品が対象となるGOTSは、オーガニック繊維製品の国際認証だ。天然繊維を主な原料としており生産の全工程で、環境的・社会的に配慮した方法で製品をつくるための厳しい基準をクリアした証となっている。

今回「EARTH MALL with Rakuten」をオープンにあたり、楽天常務執行役員 小林正忠 氏(以下、小林氏)が意気込みを語った。

小林氏「私たちは創業当時からより良い社会を築くためにイノベーションを通じて人々にエンパワーメントすることを考え歩んできました。これからはもう一つ新しくサステナビリティを加えていきたいと考えています。

ボランティアや地域コミニュティの支援などを継続的に行っていますが、自社の事業や資金が底をつき持続不可能といったことを避けるべく、ビジネスアセットを活用した社会課題へ取り組みたいと考えています。

われわれとしてはSDGsに記載ある「持続可能な消費と生産のパターンを確保する」、このベースにあったものを提供したいと考えており、この課題を達成するべ『EARTH MALL with Rakuten』を立ち上げました。」

「環境が変わるには社会と経済の変化が必要と考えており、経済の変化に直結する消費活動において、インターネットショッピングをとおして貢献したいと考えています。

そのためには国際認証がある商品をとり揃えなければなりません。認証を受けることは簡単なことではありませんが、日本に眠っている認証を受けていない素晴らしい商品をキュレーターのみなさんとみつけていき、お客様に案内したいと思っています。

売り場だけではなくメディアとして、サステナビリティの商品やライフスタイルを提案を考えており、インターネットショッピングのビジネスを作り上げてきた自社だからこそ、国民一人一人が自然にサステナブルな消費を意識した社会の実現へ挑戦したいと考えております。」

今回アドバイザーとしてこのサービスに参画する、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 蟹江憲史教授と人や社会、地球環境、地域に配慮したエシカル消費を普及する一般社団法人エシカル協会代表理事 末吉里佳氏は以下のように述べた。

蟹江氏「私はSDGSを制定するところから研究で携わっていますが、人々の消費行動からSDGsを実現することがなかなか実りませんでした。この動きを牽引するのが『EARTH MALL』だと考えていて、いち早くこの取り組みに参加してくれた楽天に期待したいです。」

末吉氏「私はエシカルな消費・生産において一般の方々や企業、ブランドに働きかけています。しかし資本主義の世界のなかで大量生産大量消費しても本末転倒であり、生産と消費を一から見つめ直さなければならないと考えています。

人々がエシカルな消費活動を行っていくには受け皿がないと始まりませんが、楽天が『EARTH MALL』を通じてその役割を担い、エシカルな社会文化を作っていって欲しいと考えています。」

同社は、楽天市場で購入ができる未来の環境、社会、経済に配慮してつくられたものを提案することで、日本において“インターネットショッピングを楽しむと同時にサステナブルな買い物をする”という文化の醸成を目指す方針だ。

img:Rakuten

モバイルバージョンを終了