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企業内における異文化日本語コミュニケーション研修を運営する内定ブリッジでは、外国人採用企業でよくみられるオフィス内の異文化コミュニケーションのギャップについて調査する目的で、日本で働いた経験がある18種25カ国の外国人を対象としてアンケート調査を実施。その結果をまとめた。
調査の概要は以下のとおり。
- 調査期間:2018年3月13日(火)~5月28日(月)
- 調査方法:メール・SNS・聞き取り
- 回答形式:自由記述方式(日本語または英語)
- 調査対象:雇用形態を問わず日本の企業で働いた経験がある外国籍の方
- サンプル数:25カ国(globe分類を用いて4文化圏5グループに分類)71名分・業種18種、男性52%・女性42%
以下はアンケート対象者について、5つの文化圏に分類した上で、社内で使われている主言語別にまとめたもの。
アングロサクソンでは社内で英語を使う回答者が多いのに対し、中国人回答者は全員日本語で仕事をしていた。
また今回の調査結果の概要は、以下のとおりとなった。
- 上司の国籍は主に日本人で、関係性にほぼ問題はないとの回答が主流
- 日本人より外国人との同僚の方が、関係性が良好との声が圧倒的多数
- コミュニケーションの問題は「自分の問題」「お互いの問題」と考える外国人が多数派
- 職場の人間関係の距離感については、回答の多様性が顕著
調査の背景
外国人スタッフの採用が各地ですすめられるなか、入社後の外国人スタッフの定着が課題となっている。同社は外国人スタッフマネジメントのカギが、外国人・日本人、双方の社内コミュニケーションのギャップから生じるさまざまなすれ違いや違和感の解消にあると指摘。
しかし、特に外国人入社後のオフィスコミュニケーションのギャップの分析については十分でないと考えている。
今回のアンケートは、外国人向け・日本人向け研修双方の一部を構成する要素であり、外国人スタッフからみてオフィス内にどんな問題が具体的に存在するのか、それを異文化コミュニケーションという観点からとらえる調査となっているとのことだ。
なかでも今回は、日本人上司・日本人同僚・外国人同僚との関係性や対人コミュニケーション・人間完成に関する調査結果が公開されている。
日本人上司との関係が「問題ない」と考える外国人労働者が多数
上記グラフにおいて、縦軸は回答者数を示している。スコア数は1がプラス分類(ポジティブな回答、−1がマイナス分類(ネガティブな回答)、0がどちらでもない場合を意味している。
グラフをみると0の回答者も多いものの、もっとも多いのはポジティブな1との回答で、全体的には日本人上司との関係性に問題がないとの回答が主流であるようにみうけられる。
外国人労働者の多くは日本人より外国人の同僚との方が関係性は良好と考える
外国人の同僚がいるという回答自体が少なかったが、同僚との関係性が良好かに関しては国籍によらず「人による」との回答が最も多かった。
一方で、外国人同僚と日本人同僚の関係性を比べると、日本人より外国人同僚との関係が良好との回答が圧倒的多数であった。
オフィスのコミュニケーション問題は「自分の問題」もしくは「互いの問題」と考える外国人労働者が多数
オフィスにおけるコミュニケーションの問題について、「相手の問題」と考える外国人労働者は少数派で、「相手の問題」「お互いの問題」との回答の方が多数をしめた。なお同社では、「相手の問題」のなかに「相手の(日本人上司の)日本語がわかりにくい」という回答があったことを指摘している。
またコミュニケーションの問題について、どのように解決を目指しているかを聞いたところ、儒教圏の人材を中心に「相手に合わせる」という外国人がもっとも多かった。
日本企業内での人間関係の距離感に関する意識は外国人のなかでもさまざま
今回の調査では、会社が自分のプライベートに立ち入り過ぎていると感じるか、もしくは人間関係の距離が遠すぎると感じたことがあるか聞いている。任芸関係については、ポジティブ評価(1)・ネガティブ評価(2)がはっきりわかれた。
さらに詳細をみると上図にあるように、日本企業内での人間関係については、「ちょうどよい」「遠すぎる」「近すぎる」など、外国人によってさまざまだった。
また「立ち入らない」ことをポジティブにとらえる回答がある一方で、距離が近いことをネガティブにとらえる回答もあるといった多様性もみられる。
調査結果を、所属する会社の規模ごとに分類すると、「人間関係が遠い」との回答は、若干大企業に偏っているものの、中小企業にも一定数存在している。
「近い」と感じている回答者についても同様で、会社の規模について特定の傾向は認められなかった。
同社は、今回の調査結果について、オフィスで働く外国人材の多様性を知る上で貴重な「外国人の生の声になっている」と指摘。
また今回はプレアンケート調査結果であり、2019年には今回の結果を踏まえたより広い範囲のアンケートを予定しているとのことだ。
img:PRTIMES