法人会員向けASPクラウドサービスを提供するリスクモンスターは2018年11月26日、第2回「若手社員の仕事・会社に対する満足度」調査結果を発表した。

それによると、若手新卒社員の半数以上が3年以内の転職を意識していることがわかった。

半数以上の若手新卒社員が3年以内の転職を意識

この調査は、新卒入社1~3年目の男女個人600人を対象に行われた。

まず、調査対象者600名に「仕事・会社に対する勤続意欲」を聞いた。その結果、「3年後は勤務し続けていないと思う」が51.0%でトップとなり、「3年後も勤務し続けていると思う」の49.0%をわずかながら上回った。

また、半数以上の若手新卒社員が3年以内の転職を意識していることが明らかとなったという。

同社では、前回調査と比較すると「3年後も勤務し続けていると思う」は9.2ポイント低下し、若手新卒社員の転職意識の高まりがうかがえる結果となったとしている。

男女別では、男性において「3年後も勤務し続けていると思う」の56.0%が「3年後は勤務し続けていないと思う」の44.0%を上回ったのに対して、女性においては「3年後は勤務し続けていないと思う」の58.0%の方が多い結果となった。

入社年次別では「新卒入社1年目」において「3年後も勤務し続けていると思う」が54.0%と過半数に達していたのに対して、「新卒入社2年目」が45.5%、「新卒入社3年目」は47.5%と半数以下に低下した。

勤務している会社の売上高規模別では「10億円未満」において「3年後も勤務し続けていると思う」が42.3%と半数以下であったのに対して、「10億円以上100億円未満」が53.8%、「100億円以上」が58.1%となり、勤務先の売上高が高くなるにつれて勤続意欲が高いという結果となった。

給料や福利厚生が今後の勤続意欲における重要な要素に

「3年後も勤務し続けていると思う」と選択した理由を尋ねたところ、1位「福利厚生が充実しているから」が34.0%、2位「勤務時間や休日が自分に合っているから」が29.9%、3位「給料が良いから」が21.8%という結果となった。

男女別では、男性において「給料が良いから」が28.6%、女性において「女性が働きやすいから」が23.0%という回答が異性に比べて高い結果となった。

一方「3年後は勤務し続けていないと思う」と選択した理由を尋ねたところ、1位「給料が低いから」が38.9%で前回調査に続いて圧倒的に高い回答率となった。続いて、2位「最初から転職するつもりだから」が19.6%、3位「仕事にやりがいを感じないから」が19.3%という結果となった。

同社によると、「給料が低いから」は前回調査に続いて1位となっており、給料が今後の勤続意欲における重要な要素となっていることがうかがえるとしている。

また、勤務している会社の売上高規模別に集計したところ、全ての区分において「給料が低いから」が1位となっており、売上高規模が大きい会社に勤めている若手社員ほど給料に不満を持っている様子が見受けられるという。

売上高100億円以上の大企業に勤めている若手社員は「最初から転職するつもりだから」の50.0%、「仕事にやりがいを感じないから」の41.2%などの回答率が高く、売上高規模の小さい企業に勤務している若手社員に比べて、不満を感じている人の割合が高い様子がうかがえると分析している。

3人に1人は勤務する会社がブラック企業と感じている

勤務先に対するブラック企業の意識について調査したところ「勤務先はブラック企業だと思う」の30.0%は「勤務先はホワイト企業だと思う」の70.0%を下回ったが、前回調査と同様におよそ3人に1人は自身が勤務する会社がブラック企業だと感じているという結果なった。男女別、入社年次別においてもほぼ同様の結果となっている。

また、勤務先に対する「ブラック企業意識」と「勤続意欲」の関連性について集計したところ「勤務先はホワイト企業だと思う」と回答した人のうち「3年後も勤務し続けていないと思う」と回答したのは41.0%であったのに対して、「勤務先はブラック企業だと思う」と回答した人では74.4%が「3年後は勤務し続けていない」と回答した。

この結果に対して、同社では勤務先に対する不満が若手社員の勤続意欲に大きく影響していることが浮き彫りとなったとしている。

また前回調査においては、勤務先がブラック企業だと思っていても約4割が3年後も勤務し続けていると考えていたのに対して、今回の調査では同様の条件の回答率が25.6%と大幅に低下しており、自身がブラック企業だと判断した場合にはいち早く見切りをつけて転職に動こうと考えている若手社員が増加している様子がうかがえる結果となった。

今回の調査結果に対して、リスクモンスターでは、「3年後には転職するつもり」という若手社員すらも「この会社で長く勤めたい」と思わせることができるような会社を目指しつつ、同時に優秀な人材に「この会社に転職したい」と思われる魅力ある会社にしていくことが現代の経営に求められているのではないか、と見解を示している。

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