2015年に改正公職選挙法の選挙権年齢が20歳から18歳となり、民法改正により2022年には成人年齢も18歳となる。そんななか日本財団では、次世代を担う18歳の若者の意識調査を10月から実施している。第4回となる今回は、仕事に関する意識調査を実施。その結果を発表した。
この調査では、何歳まで働きたいかという問いで、全体の4割超が65歳もしくは65歳未満と回答。「人生100年時代構想」において政府がかかげている「70歳までの就業」とは、大きな隔たりがあった。また働きたい場所については、国内の大都市(27.0%)、「国内の地方都市」(23.4%)、「こだわらない」(26.3%)でばらつきが生じていた。
そのほかの主な結果は以下のとおりとなった。
- 58.3%が「将来なりたい職業がある」と回答
- 仕事とプライベートでは「プライベートを優先させたい」(53.0%)との回答が「仕事を優先させたい」(20.3%)を大きく上回る
- 定年まで「1つの職場で働きたい」(34.4%)との回答が「いいえ」(25.3%)を上回る
将来なりたい職業があるのは全体の58.3%
将来なりたい職業があるかとの質問では、「はい」(58.3%)が「まだ考えていない」(27.6%)や「いいえ」(14.1%)を大きく上回った。また将来なりたい職業があると回答した人に具体的になりたい職業をえらんでもらったところ、1位「公務員」(15.7%)、2位「会社員」(15.0%)、3位「エンジニア、デザイナー(12.7%)」と続いた。
働きたい場所は回答が分散する結果に
将来働きたい場所がどこかという問いでは、「国内の大都市」(27.0%)との回答が最も多いものの、「こだわらない」(26.3%)、「国内の地方都市」(23.4%)も僅差で、回答が分散する結果となった。そのほか、「海外」が4.6%、「国内の大都市・地方都市以外」との回答が3.8%だった。
「プライベートを優先させたい」が全体の53.0%、「仕事優先」は20.3%
就職後に仕事とプライベートのどちらを優先させたいかという問いでは、「プライベートを優先」(53.0%)との回答が「仕事を優先」(20.3%)の実に2.5倍以上との結果となった。「わからない」との回答も全体の26.8%に及んだ。
定年まで「決められた場所、決められた時間で勤務」を希望するのが30.3%、「場所や時間に縛られない勤務」が希望なのは26.4%
就職後の働き方について、回答者に複数用意された選択肢から選んでもらったところ「決められた場所、決められた時間で勤務」(30.3%)の回答がもっとも多く、「在宅勤務やフレックスタイム制度等、場所や時間に縛られない勤務」(26.4%)、「こだわらない」(23.1%)が続いた。
「決められた場所、決められた時間で勤務」を選んだ理由としては、「オンとオフを切り替えたい」「決まっていた方がプライベートの予定を立てやすい」といった、プライベート・仕事の両立をのぞむ内容があげられた。
一方「場所や時間に縛られない勤務」との回答に関しては、「プライベートを充実させたい」「ワークライフバランスを重視」「子育てと両立させたい」といった、プライベートを重視させながらも仕事との両立をのぞむ内容が理由としてあげられた。
「こだわらない」との回答については、「やりがいを感じられれば良い」「仕事ができれば環境はあまり関係ない」のように働き方より仕事そのものを優先する回答や、「こだわらない方が仕事の選択肢がある」「そのときによっても変わると思うから」などの意見があがった。
「1つの職場で働きたい」(34.4%)との回答が、「いいえ」(25.3%)を上回る
定年まで「1つの職場で働きたい」かとの問いでは、「はい」(34.4%)が「いいえ」(25.3%)を上回った。「はい」を選んだ理由として、「1つのことを貫きたい」「技術を極めたい」といった回答が多かった。
そのほか「安定した給料を貰いたい」「昇進したい」「退職金がたくさん貰えるから」のように給与面や待遇面についての回答も目立った。「再就職は大変そう」のように、退職後の心配をあげる声もあった。
「いいえ」を選んだ理由については、「色々な体験がしたい」「キャリアアップをしたい」や、ライフステージに合わせ「働きやすい環境で働きたい」といった意見があがった。
何歳まで働きたいかは「わからない」(29.4%)以外では「65歳」(23.6%)が最多、「65歳未満」(19.0%)が続く
政府が「人生100年時代構想」で「70歳までの就業」をかかげるなか、何歳まで働きたいかとの質問では、「わからない」(29.4%)を除くと「65歳」(23.6%)が最多。「65歳未満」(19.0%)がそれに続いた。
「65歳」を選んだ理由としては、「65歳までが体力的にも能力的にも限界」「働く意欲がなくなりそう」といった体力面・精神面の限界について気にする声と、「年金がもらえるまでは働く」「貯蓄をするため」といった金銭面を心配する声があがった。
img:日本財団