「子供のキャリア観と親の働く姿に関する意識調査」子供のキャリアビジョンは「親の働く姿」が大きく影響する結果に。

アイデムは、子供が親の「働く姿」に触れることと、子供のキャリア感醸成の関連性について明らかにするべく、2018年6月14日~17日に小学校1年生から高校3年生の子供を持つ男女3,489名を対象に調査を実施。ここでは一部抜粋したものを紹介する。なお、本調査における「子供への調査」は、保護者による代理回答になる。

今回の調査から、親の働いている姿や、仕事の充実度が、子供のキャリアビジョンへの考え方に影響することが明らかとなった。

小学校1年生から高校3年生に、将来働くことを楽しみに感じているかを聞いた。その結果、「楽しみ・計(「どちらかと言えば楽しみ」も含む、以下同)」は、「小1-4」で79.9%、「小5-6」で75.0%、「中1-3」で70.0%、「高1-3」65.1%となり、幼い子供ほど将来働くことへの期待感も高いことが明らかとなった。

次に「楽しみ・計」の回答割合について親の働く姿をみたことがあるかとの関係をみた。父親および母親の働く姿を「ことがある」子供の方が、「ことはない」子供よりも、回答割合が大幅に高い。特に、「高1-3」は「ことがある」子供と「ことはない」子供の差がほかの学年よりも大きい。

また、親の仕事の充実度との関係をみると、父親および母親の仕事が「充実している」家庭の子供は、「充実していない」家庭の子供よりも、回答割合が大幅に高い。その差は、学年が上がるごとに大きくなり、成長にともない働くことを現実的に見据え始めているのか、身近な大人の働く姿が将来への期待につながっているようだ。

小学校1年生から高校3年生に将来なりたい職業があるかを聞いた。その結果、「ある」と回答した子供は「小1-4」54.0%、「小5-6」48.6%、「中1-3」40.6%、「高1-3」41.2%となり、学年が上がるにつれて割合が下がっていくことが明らかとなった。

親の働く姿を見たことがあるかとの関係をみると、父親や母親の働く姿を「ことがある」子供は、そうでない子供よりも、総じて将来なりたい職業が「ある」と回答した割合が高いことが伺える。特に、「高1-3」の子供は、父親および母親の働く姿を「ことがある」子供と「ことがない」子供の差が、双方とも10ポイントを超え、他学年より差が大きくなっていた。

また親の仕事の充実度との関係をみると、父親や母親の仕事が「充実している」家庭の子供は、そうでない子供よりも、将来なりたい職業が「ある」と回答した割合が高かった。特に、父親の仕事の充実度の方が双方の差が大きい傾向があり、母親の仕事の充実度よりも、子供が将来なりたい職業があるかどうかに影響が強いようだ。

将来なりたい職業が「ある」と回答した小学校1-4年生および小学校5-6年生に職業リストからあてはまるものを選んでもらった。

順位をみると、小1-4女子、小5-6女子ともに1位「ケーキ屋・パティシエール」、2位「医者」となった。小1-4男子と小5-6男子は4位まで同じで、1位「サッカー選手」、2位「医者」、3位「運転手/車掌」となっている。

一方、子供に将来なってほしい職業が「ある」と回答した小学校1-4年生および小学校5-6年生の子供を持つ親に、職業リストからあてはまるものを選んでもらうと、小1-4、小5-6ともに1位「医者」、2位「公務員※消防士・警察官・自衛隊等除く」となった。3位はそれぞれ「看護師」と「薬剤師」となっている。

子供の回答と比較すると、「医者」などは上位で共通するものの、子供の夢よりも高収入や安定が見込める職業など、より現実的な職業を親が望んでいることがうかがえる。

将来なりたい職業が「ある」と回答した中学校1-3年生、高校1-3年生に、職業リストからあてはまるものを選んでもらった。

中1-3女子は「看護師」「医者」「保育士・幼稚園教諭」が上位に、高1-3女子は「教師」「保育士・幼稚園教諭」「医者」が上位になり、医療・福祉・教育系の職業が多い結果となった。

中1-3男子は「サッカー選手」「公務員」「医者」と、小5-6男子と1位は同じだが、現実的な希望も挙がっている。高1-3男子になると、「教師」「整備士・機械エンジニア」「医者」が上位となり、それまでの学年とは異なる、現実的かつ専門的な職業が挙がってきている。

一方、子供に将来なってほしい職業が「ある」と回答した中学校1-3年生高校1-3年生の子供を持つ者(親)に、職業リストからあてはまるものを選んでもらうと、中1-3、高1-3の親ともに1位「医者」、2位「公務員」となった。3位はそれぞれ「薬剤師」「教師」となっている。小学生と同様、子供の回答と比較すると、より安定した高収入の仕事を望んでいることがわかったとしている。

将来なりたい職業が「ある」と回答した小学校1年生から高校3年生に、将来なりたい職業に就くために何か工夫や努力をしているかを聞いた。「している」という回答は、「小1-4」32.0%、「小5-6」43.1%、「中1-3」44.3%、「高1-3」52.6%と、学年が上がるにつれ高くなっていく。

将来なりたい職業に就くために何か工夫や努力を「している」割合について、「親の仕事の充実度」との関係をみた。父親および母親の仕事が「充実している」家庭の子供は、「充実していない」家庭の子供に比べて将来なりたい職業に就くために工夫や努力を「している」割合が高くなっていた。特に「高1-3」では、他学年よりもその差が大きく、より現実的な進路を考えるにあたって親の仕事への姿勢が影響を及ぼしているのかもしれないとの見解を示している。

img:PRTIMES

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