香りをAIで解析し課題を解決。レボーンが畜産・飲料・医療で実証実験開始

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REVORN(レボーン)は2018年11月20日、独自開発の香りセンサー「iinioi® Sensor」と香りに特化したAI「iinioi® AI」を活用し、各業界のさまざまな課題を香りで解決する「iinioi Project」を開始したと発表した。

「iinioi Project」は、独自開発の香りセンサーとAIを活用し、畜産・飲料・医療などの各分野の課題を、嗅覚技術(Scent Technology)で解決するプロジェクトである。

独自開発の香りAI「iinioi® Sensor」と「iinioi® AI」を開発

レボーンは、独自開発した「iinioi® Sensor」と香りに特化した「iinioi® AI」を活用して、世界中の香りデータを蓄積した「iinioi® AI Platform」を構築している。これらの技術をもとに嗅覚技術(Scent Technology)のインフラを構築するために、このプロジェクトを開始した。

「iinioi® Sensor」は、レボーンが独自開発した高精度の香りセンサーだ。水晶振動子とAI、感応膜などを組み込み、ある特定の空気の香りを分子レベルで計測することができるという。

シリンジを使用して空気を取り込み、香りセンサーで周囲の空気の香りを測定、スマートフォンやWebサービスでのデータ確認が可能である。

将来的にはモバイル化され、誰でも手軽に香り採取が可能になる見込みだ。

また、「iinioi® AI」は、香りデータの学習に特化したAIだ。香りセンサーで取得した情報をAIに学習させることにより、香りデータからさまざまな情報を導き出すことができるという。

レボーンでは、多様な香りデータベースと言語データを紐付ける特許申請技術「Fragrance2Vec」を活用して開発した。

例えば、人間の鼻で感知できない可燃性ガスなどの香りを分子レベルで判別して「これは危険な匂い」だとAIに学習させることで、早期のリスク検知ができるようになるという。

あらゆる香りデータをAIが学習することで、さまざまな現場におけるリスク検知、品質管理、疾病の早期発見などのソリューション開発が可能になる。

さらに、ある香りが「誰にとって」「どんな気持ち」に繋がるのかという感情データとAIが学習して香りを分類することで、商業施設やアパレル店舗、飲食店などの香りによるブランディング、特定ユーザーが好む香りの企画・開発などのソリューション提供が可能だとしている。

畜産分野などで各現場の空気の香りをAIで解析する実証実験開始

このプロジェクトは、まず畜産・飲料・医療の3分野で、品質管理や早期のリスク検知を行うことを目的として、各現場の空気の香りをAIにより分子レベルで解析する実証実験を開始する。各分野の共同開発パートナーやプロジェクト進捗は順次公表予定だ。

畜産分野では、家畜の糞などの匂いデータを取得・解析して、家畜の健康レベル診断や疫病などの早期リスク検知を目指す実証実験を開始する。

飲料分野では、工場の製造工程などの香りデータを取得し発酵状況などを解析して、飲料の品質管理や腐敗などのリスク検知サービスの開発を目指す。

医療分野では、医療現場などの匂いデータの取得・解析により、患者の体調管理や疾病などの早期検知を目指す実証実験を開始する。

レボーンは、これまでにハーブの香りや人間の呼気など約1,000種の香りパターンを採取したという。

1つの香りパターンは約600秒のデータから構成され、同社によると2018年11月20日現在で取得した、AIが学習済みの実用レベルのデータは約60万となり、2019年度末には1,000万を達成する見込みだ。

img:PR TIMES

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