自動運転車・バス開発で“不可欠な存在”に、中国検索エンジン最大手バイドゥの試み

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中国北京で2000年に創業されたバイドゥ(百度)。現在同国検索エンジン市場ではトップシェアを、グローバルではグーグルに次ぐシェアを誇る中国を代表するテクノロジー企業だ。

インターネット関連のサービス/プロダクトを提供しているが、近年では人工知能開発にも多大なリソースを投入している。中国政府によってアリババ、テンセント、iFlytekとともに「人工知能4大企業」に指定され、国内の人工知能開発をリードする存在となった。

スマートシティや医療など人工知能活用が期待される分野は多岐にわたるが、バイドゥが特に注力している分野の1つが自動運転車の開発だ。

バイドゥはこのほど自動運転車開発のためのオープンプラットフォーム「Apollo(アポロ)」をローンチ。

アポロ上では、高画質マップや自動運転シミュレーター、ディープラーニングアルゴリズムを利用することが可能で、中国国内の自動車メーカーだけでなく、BMWやフォード、ホンダ、フォルクスワーゲンなどの海外自動車メーカー、さらにはインテルやマイクロソフトなどのソフトウェア企業が参加している。


バイドゥ「アポロ」ウェブサイト

このアポロプラットフォームを軸に、バイドゥと各自動車メーカーの自動運転車開発プロジェクトが進められることになるようだ。

2018年10月、バイドゥとフォードは北京市内での試験走行を含めた2年間の開発プロジェクトを実施すると発表。このプロジェクトでは、自動運転レベル4の自動車を開発するという。

ボルボも同時期に自動運転車開発プロジェクトを行うことを発表している。

また、これまでにBMWが上海市で、ダイムラーが北京で、それぞれ自動運転車の走行ライセンスを取得。BMW、ダイムラーともにアポロプラットフォームの参加企業だ。

国内メーカーでは、中国3大自動車メーカーの1つ中国第一汽車集団(FAW)がバイドゥと共同で自動運転車開発を実施することを発表。2020年を目処に大量生産を開始する計画だ。スケジュール通りに実行された場合、中国初の量産型自動運転車が誕生することになる。

中国政府機関である国家発展改革委員は、2020年には新車に占める自動運転車の割合を50%に高める目標を掲げている。この目標に沿ってFAWなど国有企業を筆頭に自動運転車の開発・販売が加速する見込みだ。

中国工業情報化部は、2020年の中国自動運転車市場の規模は1,000億元(1兆6,000億円)になると推計している。

一方、アポロプラットフォーム上では、自動運転バスの開発も進んでいる。

バイドゥは中国国内のバスメーカーKing Longと共同で小型自動運転バスを開発中だ。バイドゥによると、すでに100台の自動運転バスを製造したという。

現在、武漢のLonglingshang Parkで商用デモが実施されている。このデモでは、総延長5キロのルートを時速15キロメートルで自動走行しているという。

サウス・チャイナ・モーニング・ポスト紙によると、この自動運転バスは近い将来、北京、雄安新区、深センに加え、東京にも導入される可能性があるという。

中国の自動運転車市場では、テンセントのほか巨額の資金調達を行ったRoadstar.aiやPony.aiなど自動運転スタートアップの参入もあり、開発競争は激化の様相を呈している。

数年後に量産体制に入ると見込まれる同市場、今後数年は激動する展開になりそうだ。

文:細谷元(Livit

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